次世代型鉄筋コンクリート構造への高靭性コンクリートの応用

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11555153
• Research Institution: Tokyo Metropolitan University
• Principal Investigator: 橘高 義典 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20177877)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 田村 雅紀 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80315754) ; 小山 明男 明治大学, 理工学部, 講師 (90285099) ; 北山 和宏 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70204922)
• Keywords: 次世代型コンクリート / 軽量化 / 繊維補強 / 耐久性試験 / 部材試験 / せん断性能 / 空隙特性 / 破壊特性

Research Abstract

本研究は、ガラス廃材を主原料とした軽量骨材と起泡剤を使用し短繊維を分散混入した軽量繊維補強コンクリートの材料レベルでの基礎的性質および部材レベルでの力学挙動の把握を目的としている。本年度は主に材料レベルでは(1)超軽量繊維補強コンクリートの耐久性状の把握、部材レベルにおいては(2)鉄筋コンクリート柱のせん断性能を把握した。以下にその結果を示す。
(1)に関しては、超軽量繊維補強コンクリートの圧縮強度と空隙率に関する相関に関する基礎的物性を確認した後に、水セメント比、密度、空隙率、養生条件をパラメータとして、これらの要因が耐久的性質に及ぼす影響を実験的に把握することを目標とした。結果、コンクリートの各種パラメータが、圧縮強度、ヤング係数に及ぼす特徴が明らかになった。耐久性状は、電食抵抗性、塩分浸透抵抗性、中性化試験に関しては、材料要因が及ぼす影響が複雑化しており、長期的な検討により材料要因が及ぼす影響を確認できるとした。
(3)に関しては、一辺250mmの正方形断面、せん断スパン比を1.5とした鉄筋コンクリート柱のせん断抵抗機構を検討した。その結果、1)短繊維はかぶりコンクリートの剥落を防止し,またひびわれ幅を抑制し、コア・コンクリートを拘束する効果によって,せん断耐力を増加させた.2)斜めせん断ひびわれ発生後も短繊維のブリッジング作用によって、せん断耐力の増加に寄与した.3)圧縮軸力下において,短繊維混入はトラス機構には寄与しなかったが,最大耐力後のアーチ機構の維持に役立った。短繊維がコンクリートを拘束することで圧縮強度の低減を抑制したためである。4)短繊維によって最大耐力後の靭性能が改善された.などの結論を導いた。

Research Products

• [Publications] 吉岡昌洋, 橘高義典, 田村雅紀: "両引き試験による超超軽量繊維補強コンクリートの破壊特性の評価"コンクリート工学年次論文報告集. Vol.23, No.1. 79-84 (2001)
• [Publications] 塚本剛史, 橘高義典, 田村雅紀: "高強度化軽量繊維補強コンクリートの破壊特性に及ぼす高温加熱の影響"コンクリート工学年次論文報告集. Vol.23, No.3. 217-222 (2001)
• [Publications] 神山力, 橘高義典, 田村雅紀: "各種コンクリートの破壊特性の試験方法に関する研究"コンクリート工学年次論文報告集. Vol.23, No.3. 91-96 (2001)
• [Publications] 塚本剛史, 橘高義典, 田村雅紀: "各種コンクリートの破壊特性の試験方法に関する研究"コンクリート工学年次論文報告集. Vol.23, No.3. 217-222 (2001)
• [Publications] 大岡督尚, 橘高義典, 渡部憲: "短繊維補強コンクリートの収縮ひび割れ特性-収縮ひび割れ性状の引張軟化曲線による評価およびひび割れ進展解析-"日本建築学会構造系論文集. No.544. 7-13 (2001)
• [Publications] 吉岡昌洋, 橘高義典, 田村雅紀: "両引き試験による超軽量繊維補強コンクリートの破壊特性の評価"日本建築学会大会学術講演梗概集. A-1. 461-462 (2001)
• [Publications] 橘高義典, 田村雅紀, 神山力: "引張り軟化曲線の推定に及ぼす試験方法および解析方法の影響"日本建築学会大会学術講演梗概集. A-1. 97-98 (2001)
• [Publications] 高見澤晃, 橘高義典, 田村雅紀: "コンクリートの流動特性に及ぼす比重の影響に関する基礎的研究"日本建築学会大会学術講演梗概集. A-1. 159-160 (2001)
• [Publications] 小坂英生, 北山和宏, 岸田慎司: "繊維混入コンクリートを用いたRC柱のせん断性能に関する研究(実験概要および実験結果)"日本建築学会大会学術講演梗概集. C-2. 45-46 (2001)
• [Publications] KITAYAMA Kazuhiro, KOSAKA Hideo: "Shear Resistant Performance of Vinyl-fiber Reinforced Concrete Column"Paper preparedg for the Third US-Japan Workshop on Performance-Based Engineerin for R/C Building Structures.USA. 17-18 (2001)
• [Publications] 小宮岳枝, 小山明男, 菊池雅史, 金丸和樹, 三浦隆広: "繊維補強超軽量骨材コンクリートの耐久性に関する基礎的研究"日本建築学会大会学術講演梗概集. A-1. 495-496 (2001)
• [Publications] 川口昌也, 小山明男, 菊池雅史, 三浦隆広: "多孔質骨材を用いたコンクリートの諸性質に関する基礎的研究(その3多孔質骨材コンクリートの圧縮強度に及ぼす多孔質骨材の影響)"日本建築学会大会学術講演梗概集. A-1. 11-12 (2001)
• [Publications] 三浦隆広, 小山明男, 菊池雅史, 川口昌也: "多孔質骨材を用いたコンクリートの諸性質に関する基礎的研究(その4コンクリートの圧縮強度およびヤング係数に及ぼす空隙率の影響)"日本建築学会大会学術講演梗概集. A-1. 13-14 (2001)