2000 Fiscal Year Annual Research Report
非平衡プラズマを用いる難処理有害物質の完全分解・無害化技術に関する研究
Project/Area Number |
11555199
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松田 仁樹 名古屋大学, 難処理人工物研究センター, 教授 (80115633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄司 多津男 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (50115581)
小澤 祥二 名古屋大学, 難処理人工物研究センター, 助手 (00303678)
板谷 義紀 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (50176278)
木山 信道 日本高周波株式会社, システム事業部, 技術部担当(研究職)
神田 稔 日本高周波株式会社, システム事業部, 事業部長(研究職)
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Keywords | 高密度熱プラズマ / 高周波トーチ / 非平衡プラズマ / コロナ放電 / 揮発性有機化合物 / アルカリ吸収剤 |
Research Abstract |
都市ゴミ等の廃棄物の焼却後に生成される都市ごみ焼却灰の処理法のひとつに溶融固化処理かある.この工程で生じる溶融飛灰中にはPbやSiなどの有用な金属酸化物が多く含まれている.本研究では,これらの再利用可能な金属類を高密度の高周波トーチプラズマ中で原子・イオンレベルまで分解し,金属単体として分離・回収する方法を開発することを目的の一つとしている.今年度は,高周波トーチ装置の組立,自励発振器のテスト,真空および冷却装置の立ち上げを行い,高密度熱プラズマを生成してプラズマ密度npと電子励起温度Tを計測した. 実験は,Arガスの総流量約50L/min,200Torrの圧力で行った.入力電力Pinは三極管のプレート電圧Epとプレート電流Ipの積(Pin=Ep×Ip)から求め,今回はPin≦10kWで実験を行った.npはシースガスとして加えられた水素のHβ線(486.1nm)のシュタルク広がりから求めた.その結果,Pinの増加とともにnpも増え,Pin=10kWではnpは5x1015cm-3に達した.また,Pinを約8kW,Ar流量を約40l/minに保ち,水素流量を変えてもnpは一定であった.TはModified Atomic Boltzmann PlotによってAr原子の発光であるArlの波長415-435nmの発光強度比から導出した.Pin<5kWではPinの増加とともにTもゆるやかに上昇するが,Pin>5kWではPinの増加,水素流量の変化によらずTはほぼ1-1.5eVの値となった.このような高温(1.5eV)・高密度(5x1015cm-3)のプラズマ中では,金属酸化物を瞬時に蒸発し,原子・イオンレベルにまで分解することが十分可能である. 一方,本研究においては昨年度より大気圧コロナ放電によるVOCs(揮発性有機化合物)の高効率分解に関する実験的検討を継続して行っている.その結果,塩素元素を含む有機化合物ガスに対するコロナ放電による分解操作においては,完全に分解された場合の副生成物であるCO2,H2Oの他に,塩化水素やホスゲンなどの塩素元素を含む有害ガスの生成が確認された.そこで本研究では,これら有害ハロゲンガスの除去方法として,ハロゲン水素に選択的に変換する,変換されたハロゲン水素をアルカリ金属を用いて反応場において直接吸収除去する,ことを提案しこれらの方法を実験的に確認した.その結果,有害副生成物の発生が抑制されるとともにVOCsの分解率向上も確認された.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] L.Huang,K.Nakajyo,S.Ozawa and H.Matsuda,: "Decomposition of Dichloromethane in a Wire-in-Tube Pulsed Corona Reactor"Environmental Science and Technology. (掲載決定). (2001)