2000 Fiscal Year Annual Research Report
設計段階に応じて船舶の振動特性を推定するための新しい手法の開発研究
Project/Area Number |
11555258
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 茂弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60263216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
修理 英幸 日立造船(株), 技術研究所, 課長(研究員)
冨田 康光 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30029251)
矢尾 哲也 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20029284)
吉川 孝男 川崎重工業(株), 明石技術研究所, 部長(研究員)
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Keywords | 船舶 / 振動 / 設計 / 梁モデル / 流体-構造連成振動解析 / 流体モデル / 詳細モデル / 設計初期段階 |
Research Abstract |
本年度は、実船詳細モデル及び実船梁モデル及び板モデルを用いて、設計初期段階あるいは中期段階での検討に耐え得る計算精度を確保できるかどうかの調査検討を行って以下の知見を得た。 (1)ウェブエリア法とエネルギ法で求めた剪断剛性係数を用いた梁モデルの固有振動数にはある程度の隔たりがあり、回転慣性による影響も含めた解析も行った結果、梁モデルの適用限界を知ることができた。梁モデルでは、主船体高次モードでの断面の船長方向の反りを表現し得ないことから、低次モードでの検討にしか適していない。従来法にあるような、梁理論による高次モードの推定計算は推奨できないとの結論を得た。どうしても梁モデルにこだわる場合には、断面の反りを要素特性として組み込んだ新たな要素を作る必要がある。 (2)船殻板組情報を元に自動的に詳細モデルを作成するソフトを作成した。要素特性は、ロンジ材を板厚として組み込んだ異方性膜要素とし、メッシュサイズはガーダーとフロアで囲まれるサイズとした。あまり細かい分割では局部振動が多数発生して計算結果の見通しが悪くなること、及び流体メッシュ接合時の不具合を避けるためにシェル要素を利用しなかった。膜要素を利用しつつ変形モードを上手く表現するためには、自由度落ち防止の観点から、ガーダーとフロアで囲まれるサイズでメッシュ分割するのがよい。 (3)主要断面の2次元情報とフロア間隔の情報からホールドの3次元モデルを構成し、各ホールドは並進方向MPC結合にて接合した。2重節点となる場合には1重に置き換え、結合されない節点が発生する場合には剛体結合を利用することにした。 (4)構造モデルと流体モデルとの結合には、並進方向MPC結合が適していることがわかった。 (5)シェル要素を用いても、ロンジの曲げ剛性を組み込んだ異方性シェル要素とすれば、流体メッシュ接合時の不具合を避け得る可能性があるので、その検討を行う必要がある。
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