1999 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロサテライト領域に関わる国内主要造林樹種育種DNAマーカーの開発
Project/Area Number |
11556027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宝月 岱造 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 教授 (10107170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 克己 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 助教授 (80211895)
井出 雄二 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90213024)
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Keywords | アカマツ / ヒノキ / スギ / マイクロサテライト多型マーカー / 共優性 / 種特異性 / メンブランフィルター / ヘテロ接合率 |
Research Abstract |
本研究の目的は、主要な国内産造林樹種アカマツ、ヒノキ、スギの共優性マイクロサテライト多型マーカーの開発を目指し、マイクロサテライトマーカーの安価でしかも比較的労力と時間のかからない単離同定法を確立すること、その方法によりアカマツ、ヒノキ、スギのマイクロサテライトマーカーを多数作成すること、開発したマーカーの遺伝学的細胞学的特性を確定することである。また、病気抵抗性、高生長等の有用形質にリンクして遺伝するマーカーの特定も行う予定である。今年度は、これらのうち、アカマツとヒノキのマイクロサテライトマーカーの開発を行った。主な研究成果は以下のようであった。 1.Edwardら(1996)のメンブランフィルターを用いマイクロサテライト同定法を改良し、マツ、ヒノキのマイクロサテライト領域を容易に多数分離同定できる方法を確立した。主な改良点は以下のようである。(1)使用する制限酵素を工夫し、(2)アダプターを工夫し、(3)洗浄パッファーを工夫した。 2.確立した方法を用いて、アカマツ、ヒノキのマイクロサテライト領域をそれぞれ14個と15個分離同定した。 3.決定したそれぞれの領域の塩基配列に基づいてマイクロサテライトの両端のプライマーを設計し、PCR増幅の可能なものを選抜した。アカマツに関しては、他のマツ科の12種についてもPCRを行い、マーカーの種特異性を調べた。この結果、多くのマーカーが、アカマツ以外の種でもPCR増幅することが解った。このことは、得られたマーカーが他のマツ科の種でも多型マーカーとして有効であることを示唆している。 4.得られたアカマツマーカーを用いて東京大学田無試験地内の立木の多型解析を行い、多型性、ヘテロ接合率、共優性か優性か等、マーカーの特性を解析した。その結果、共優性と見られる多型マーカーを6個確定した。
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[Publications] Lian C.,Miwa M.,Hogetsu T.: "Isolation and characterization of microsatellite loci from the Japanese red pine,Pinus densiflora"Molecular Ecology. (in press).