2001 Fiscal Year Annual Research Report
農村地域活性化のための地域ポテンシャル評価手法に関する計画学的研究
Project/Area Number |
11556041
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
千賀 裕太郎 東京農工大学, 農学部, 教授 (90142231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 久 茨城大学, 農学部, 助教授 (80292481)
広田 純一 岩手大学, 農学部, 教授 (00173287)
高橋 強 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (80021707)
地井 昭夫 広島大学, 学校教育学部, 教授 (10098684)
藤本 信義 宇都宮大学, 工学部, 教授 (00016510)
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Keywords | 農村 / 地域活性化 / 地域ポテンシャル / ポテンシャル評価 / 計画学的研究 / 土地利用システム / 資源利用システム / 集落景観 |
Research Abstract |
本研究では,農村地域の環境と資源が,地域活性化の方向性や可能性(ポテンシャル)を規定できるとの仮定のもと,両者を計画に先立ってどのように把握し評価すべきかについて,自然システム,人文・社会システム,景観システム,資源利用・物質収支,生産・生活インフラにわけて,それぞれ専門の立場から考究した。3年間にわたる研究の成果は以下のとおりである。 まず地域ポテンシャルを"人と自然の結び付きに関わるもので,地域を特徴づけることのできる諸要素あるいはそれらの組み合わせにより形成される様相・系の創出・復元の潜在的な可能性"と概括的に定義した。 こうした概括的把握に基づいて,地域の内的要素を生物生態的な捉え方,田園景観としての捉え方,経済的社会的活力としての捉え方,社会・生活様式としての捉え方,集客・収益資源としての捉え方,物質循環としての捉え方の6タイプに類型化して,それぞれ地域ポテンシャルをより具体的に定義し,それぞれが関係する要素について調査し考察した。 本研究では,共通な調査対象地を2地区設定し,分担者が同一期日に集合して合同調査を行った。また,合同調査の成果を農村計画学会のシンポジウムにおいて披露し,これを題材にして活発な討議をおこなった。 以上3年間の共同研究の成果は,農村地域の発展のあるべき形態を「内発的発展」とする共通理念をうちたてたこと,こうした共通の理念に基づき,異なった分野の専門家がそれぞれの立場から,地域ポテンシャルについて分析し考察したことである。こうした成果は,今後の農村地域活性化の在り方について,重要な示唆を与えるものと考えられる。
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[Publications] 千賀 祐太郎: "水資源の地域資源・公共財としての性質について"農業土木学会誌. 69.8. 843-847 (2001)
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[Publications] 小林 久: "窒素投入に関するエネルギー消費・CO_2排出のライフサイクル分析"農業土木学会論文集. 194号. 51-57 (1999)
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[Publications] 小林 久: "農村地域のエネルギー消費と炭素収支に関するライフサイクル分析の試み"農村計画学会論文集. 2号. 247-253 (2000)
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[Publications] 小林 久: "窒素およびリン肥料の製造流通段階のライフサイクルにわたるエネルギー消費量の試算"農作業研究. 36・3. 141-151 (2001)
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[Publications] 小林 久: "上ビルマかんがい地域における地形、土地利用と農業"環境情報科学論文集. 15号. 309-314 (2001)
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[Publications] 小林 久: "農村は物質循環にどう取り組むか"農村と環境. 14号. 47-52 (2001)
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[Publications] 亀山 章: "ミティゲーション"ソフトサイエンス社. 354 (2001)