1999 Fiscal Year Annual Research Report
新しいウイルスベクター発現サイトカインを用いた動物の免疫誘導法の開発
Project/Area Number |
11556058
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 英司 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50183439)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 裕之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40155891)
辻本 元 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60163804)
甲斐 知恵子 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10167330)
上田 進 日本生物科学研究所, 所長(研究職) (00072463)
加藤 篤 国立感染症研究所, ウイルス製剤部, 室長 (40152699)
|
Keywords | サイトカイン / イヌ / センダイウイルス / GM-CSF / IL-6 / IL-8 / アジュバント |
Research Abstract |
本研究の目的は、組換えセンダイウイルス発現サイトカインを用いることにより、自然宿主でのサイトカインネットワークの基礎的研究を行い、その基盤の上に、蛋白あるいはウイルスベクターの投与による有効なサイトカインアジュバント免疫誘導法を開発・確立することである。今年度は基礎的研究として以下の成果を得た。 1.イヌIL-6、GM-CSFおよびIL-8の遺伝子クローンをセンダイウイルス発現ベクターに組換え、センダイウイルスレスキュー系を用いて、組換えセンダイウイルスの発現に成功した。これらウイルスを発育鶏卵に接種して漿尿液を回収し、その液中の発現蛋白の性状を解析した。 2.組換えGM-CSFはSDS-PAGE法によって展開し銀染色を行ったところ、21kDaのバンドとして検出された。TF-1細胞の増殖誘導能を指標としたバイオアッセイにより生物活性を持っていることが証明された。漿尿液中にはヒトGM-CSFの20-100ngに相当する活性値を示す蛋白の産生があることが明らかとなった。本蛋白はアフィニティークロマトグラフィーによって高度に精製・濃縮が行えた。 3.イヌIL-6組換えセンダイウイルスを接種した漿尿液からは分子量28kDaの特異的な蛋白が同定され、同じくアフィニティークロマトグラフィーによって高度に精製・濃縮が行えた。その生物活性は検討中である。 4.イヌIL-8組換えセンダイウイルスからも分子量8kDAの特異的蛋白が確認され、限外濾過・透析後、ヘパリンアフィニティークロマトグラフィーによって容易に精製することができた。イヌおよびマウス好中球に対するchemotaxis assayの結果、発現蛋白は種を超えた生物学的活性を持つことが確認された。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Ohashi,K.,et al.: "A canine distemper virus epidemic in racoon dogs(Nyctereutes procyonoides viverrinus) in Japan"Veterinary Record. (In press). (2000)
-
[Publications] Iwatsuki,K,et al.: "Antigenic differences in the H proteins of canine distemper viruses"Veterinary Microbiology. (In press). (2000)
-
[Publications] Wakasa,C.,et al.: "A sequence analysis of the genes encording the phosphoprotein of recent isolates of canine distemper virus in Japan"Journal of Veterinary Medical Sciences. 62(1). 97-101 (2000)
-
[Publications] Iwatsuki,K,et al.: "Esablishment of a persistent mutant of canine distemper virus"Microbes and Infection. 1(12). 987-991 (1999)
-
[Publications] Nakamura,K,et al.: "Molecular cloning and sequence analysis of the phosphoprotein (P) gene of the lapinized rinderpest virus"Virus Gene. 18(2). 175-178 (1999)
-
[Publications] Yoshida,E.,et al.: "Epitopes and nuclear localization analysis of canine distemper virus nucleotide protein by expression of its deletion mutants"Veterinary Microbiology. 66. 313-320 (1999)