1999 Fiscal Year Annual Research Report
ストレスと栄養が脳機能に及ぼす影響:作用機序にもとづいた複合要因リスク評価の試み
Project/Area Number |
11557028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 知保 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70220902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 秀樹 国立環境研究所, 地域環境研究グループ, 主任研究員 (00232596)
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Keywords | ストレス / 脳 / 免疫組織化学 / GFAP / ドパミン / グルタチオン / 海馬 / 線条体 |
Research Abstract |
本年度は脳機能障害モデルとして、有機スズ(海馬障害)およびマンガン(線条体障害)投与動物を用い、機能障害指標の測定条件検討を行ない、測定方法を確立することを目標とした。1)動物にトリメチル錫を単回投与し、14日後に海馬傷害の程度をグリア繊維性酸性蛋白(GFAP)の免疫組織科学分析によって評価した。従来知られていた通り、トリメチル錫化合物による海馬特異的な傷害を観察することができた。また、障害程度は副腎皮質切除によって増悪し、コルチコステロンあるいはデキサメゾン慢性投与によって軽減するとの新たな知見も得られた。2)片側線条体にマンガンを微量投与したマウスについて、14日および70日後にドパミン系の作動薬であるアポモルフィンを投与し、誘発される傷害反対側への回転行動をビデオに撮影して解析した。その結果、マンガン投与量に依存した回転行動が観察され、それは70日後により顕著であった。さらに、線条体の免疫組織科学によってドパミン含有細胞の特異的な傷害を観察した。オープンフィールド試験については、アポモルフィン投与条件を検討した。4)線条体における細胞外グルタチオン(GSH)を微少透析で測定する方法について条件を確立し、細胞外成分を撹乱した場合の反応を観察、細胞外GSHが鉄によって消費されていること、また細胞外Ca^<2+>の動向にも影響されることを示唆するデータを得た。5)ストレスとの関連について注目されている脂肪で産生・分泌されるホルモンであるレプチンについて、その血清中濃度のELISAキットによる測定条件を検討した。
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