1999 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子不安定性ならびに新しいムチン遺伝子による胃の前眼病変の分子機構解析
Project/Area Number |
11557043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
今井 浩三 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60117603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野田 裕治 山口大学, 医学部, 教授 (10165128)
伊東 文生 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90223180)
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Keywords | 胃前癌病変 / 遺伝子不安定性 / DNA修復遺伝子 / ムチン遺伝子 / メチレーション |
Research Abstract |
1)遺伝子不安定性については、数種のマイクロサテライト領域に関して系統的で詳細な検討を行なった。その結果、NIHで提唱されている基準に従って判定すると、胃癌200例中約15%に遺伝子不安定性陽性例を認めた。興味あることに、それらの群は、陰性例に比較して予後が良好であることが判明した。 2)さらに、遺伝子不安定性陽性群の中にBAX遺伝子変異を認める例があり、これらの例では変異陰性群に比較して予後が不良である傾向を認めた。BAX遺伝子変異のある細胞においてはBAX蛋白の発現を認められないことを確認しているので、アポトーシスが上記の事実に関連している可能性が示唆された。 3)前癌病変も含めて、DNA修復遺伝子の変異を検討したところ、一部の遺伝子に高メチレーションを認めた。ムチン遺伝子との関連性を検討中である。 4)MUC2ムチンは、正常胃粘膜には発現しないが、これまでの検討で、腸上皮化生以外に再生上皮でも発現することを明らかにした。胃癌の一部は慢性胃炎にみられる再生上皮から発生する可能性も示唆されており、胃癌の背景粘膜についてさらに検討を加えている。MUC2ムチンコア蛋白上に発現されるとされるスルホシアリルLewis Aを認識するモノクローナル抗体91.9Hを用いて、腸上皮化生と類似するバレット食道および食道腺癌での発現を検討した。その結果、バレット食道腺癌発生との関連性が示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yamamoto,H.,Imai K.et al.: "Gastric cancers of the microsatellite mutator phenotype display characteristic genetic and clinical features."Gastroenterology. 116. 1348-1357 (1999)
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[Publications] Naishiro,Y.,Imai K.et al.: "BAG-1 accelerates cell motility of human gastric cancer cells."Oncogene. 18. 3244-3251 (1999)
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[Publications] Yamamoto,H.,Imai K.et al.: "Overexpression of COX-2 protein is less freguent in gastric cancers with microsatellite instability."Int.J.Cancer. 84. 400-403 (1999)
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[Publications] Toyota,M.,Imai,K.et al.: "Aberrant methylation in gastric cancer associated with a CpG island mathylator phenotype."Oncogene. 59. 5438-5442 (2000)
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[Publications] Okuda,H.,Imai,K.et al.: "Protein kinase Cα promotes apoptotic cell death in gastric cancer cells depending upon loss of anchorage."Oncogene. 18. 5604-5610 (1999)