2000 Fiscal Year Annual Research Report
改良型磁性流体を用いた新しい原理に基づく消化管運動,形態計測装置の開発と実用化
Project/Area Number |
11557089
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松野 正紀 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80004737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟山 裕士 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (50192315)
内藤 広郎 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (90180223)
佐々木 巌 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60125557)
福島 浩平 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20271900)
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Keywords | 磁性流体 / フェルスター磁界 / シリカ |
Research Abstract |
本年度は、消化管から吸収されない磁性流体の開発と、計測装置の自動化を進めた。以前、われわれはマグネタイトをシリカで被覆する磁性流体を開発したが、これに用いた磁性粒子の大きさは100nmと大きすぎ、消化管から吸収されるという欠点を有していた。今回の研究では、磁性粒子を合成し、シリカ(SiO2)濃度を0.05-0.25mol/l、pHを7から11までと変化させて組み合わせ、最も生体に適したシリカ被覆磁性流体について、熱天秤、振動試料型磁力計、走査型電子顕微鏡、質量分析装置、X線回析装置を用いて検討した。その結果、粒子径が20-30nmと縮小していることが判明した。また、pH9、SiO2濃度が0.15mol/lのものが最も耐酸性が強く、犬に投与しても血中鉄濃度が全く上昇しないことが明かとなった。ラットに投与すると血中鉄濃度は上昇するが、以前の磁性流体に比べると上昇の程度は小さく、今回開発した磁性流体を実際に使用できる可能性が大きい。以前の計測計測装置はプローブが手動であったため、計測に時間がかかるという難点があった。今回の研究では、新たに提案した高速磁界分布測定装置を使用し、そこにフェルスター磁界プローブを取り付け、マグネットスコープによる計測を行った。磁性体として、磁化率の大きい直径20mmのクロームの球体を用いた。その結果、測定が良好に行なえること、再現性が十分にあること、理論値と実際の計測値が一致することが分かった。今後はさらに複雑な形態の試料ついての検討を進める必要がある。
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