1999 Fiscal Year Annual Research Report
フローサイトメトリー法を用いた細菌の抗菌剤感受性迅速診断装置の開発
Project/Area Number |
11557117
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寺井 章人 京都大学, 大学院・医学研究科, 講師 (50243019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富岡 敦男 シスメックス株式会社, 尿プロダクトマネージャー
賀本 敏行 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (00281098)
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Keywords | フローサイトメトリー / 抗菌剤感受性試験 / 迅速診断法 |
Research Abstract |
(1)抗菌剤感受性迅速診断装置の開発にあたり、まず細菌増殖の形態学的変化を捉える方法を検討した。菌株は以下の13株を検討した(E.coli,E.cloacae,K.pneumoniae,S.marcescens,P.mirabilis,P.vulgaris,P.rettgeri,M.morganii,P.aeruginosa,S.aureus,S.epidermidis,E.faecalis,E.faecium)。37℃に暖めたMuller-Hinton培地に前日塗布したシングルコロニーをピックアップ、純培養下に増殖の変化を観察した。培養条件として1.5mlマイクロチューブに菌液を1ml注入、マイクロチューブミキサーで激しく振盪した。これらを各菌株につき30分毎にフローサイトメトリーにて測定した。これらを各菌株につき3回同様の実験を行い形態学的変化を検討した。測定して得られた粒子情報をforward scatter pulse intensity(Fsc)軸およびpulse width(Fscw)軸上で各々プロットしたところ各細菌の鑑別には至らないものの、細菌の増殖する領域とグラム陽性球菌と陰性桿菌ではおおまかな分類が可能であった。また、培養後の各時点と培養開始時とのsubtractionにて細菌の増殖時の変化が明瞭に捉えられ、後に検討予定の臨床検体から直接抗菌剤感受性を得る際に予想される夾雑物の混入に有効と思われた。(2)現在細菌尿の診断に際し臨床症状と尿沈査検査の所見によっているが、細菌を直接検出することは時間的制約があり診療の場ではまだ有効な方法に乏しい。今回尿から直接、抗菌剤感受性結果を得る予備的検討を行った。臨床的に細菌尿と診断された尿を液体培地に10倍希釈し、その際の細菌の増殖を検討した。結果は菌種によるが1〜2時間で細菌の存在を検出可能であった。
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