1999 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病細菌が誘導する肺胞マクロファージ細胞死の解析および肺炎の予防法の開発
Project/Area Number |
11557169
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
西原 達次 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (80192251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小関 健由 国立感染症研究所, 口腔科学部, 研究員 (80291128)
柿木 保明 国立療養所, 南福岡病院, 歯科医長
秋房 住郎 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (40295861)
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Keywords | 歯周病細菌 / 誤嚥性肺炎 / 肺胞マクロファージ / アポトーシス / 細胞内感染 / 歯周炎 / カスパーゼ / 口腔ケア |
Research Abstract |
我が国でも,肺炎は65歳以上の高齢者の死亡原因の第1位を占めている.このような高齢者における肺炎は一般の成人にもみられる肺炎とは異なる病態を示す.まず,高齢者の場合,嚥下反射,舌運動機能および咳反射が低下して,就寝中に口腔や咽頭に生息する細菌が唾液ともに肺に侵入する機会が増加する.さらに,正常人に比べて感染防御機能が低下している高齢者などでは,肺に存在する肺胞マクロファージの食菌能力が減退しているために,肺に到達した細菌が容易に増殖して誤嚥性肺炎の誘因となる.今回,我々はin vitroの実験系を応用して,A.actinomycetemcomitans感染させた肺胞マクロファージでアポトーシスが誘導されることを見い出した.肺における感染防御を担う細胞として,感染の初期では肺胞マクロファージが重要な役割を果たしているが,歯周病原性細菌であるA.actinomycetemcomitansが感染防御の前線で働く肺胞マクロファージを殺すという実験結果は,本菌と誤嚥性肺炎との関連を示唆するものとしてきわめて興味深いものであった.次のステップとして,我々は肺胞マクロファージの貪食・殺菌機能とアポトーシス発現との関連を調べた.まず.マクロファージの機能を亢進させることで知られているリポ多糖でマクロファージを前処理して,貪食・殺菌能とアポトーシス発現を調べたところ,リポ多糖で刺激したマクロファージは貪食・殺菌能が亢進して,アポトーシス発現は有意に抑えられることが明らかとなった.逆に,マクロファージの機能を抑制すると,アポトーシスの発現が強く認められるようになった.これらのことから,マクロファージの機能の強弱により,感染マクロファージのアポトーシス発現が変化することが明らかとなった.今後,マクロファージの機能を高める薬剤を開発することによる肺炎の予防への道を探っていくつもりである.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 西原 達次: "口腔内環境と全身の関連 口腔内細菌と誤嚥性肺炎(1)"日本歯科評論. 687. 17-19 (2000)
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[Publications] Ishisaki,A.et al.: "Differential inhibition of Smad 6 and Smad 7 on bone morphogenetic protein-and activin-mediated growth arrest"J.Biol.Chem.. 274. 13637-13642 (1999)
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[Publications] Muro,M.et al.: "Inhibitory effect of lipopolysaccharide on apoptofic cell death in macrophages induced by Actinobacillus actinomycetemcomitans"FEMS Microbiol.Lett. 175. 211-216 (1999)
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[Publications] Kobayashi,M.et al.: "Intracellular interleukin-1α production in human gingival fibroblasts is differentially regulated by various cytokines"J.Dent.Res.. 78. 840-849 (1999)
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[Publications] Koide,M.et al.: "Bone morphogentic protein-2 enhances osteoclast formation mediated by interleukin-1α through upregulation of ODF"Biochem.Biophy.Res.Commun.. 259. 97-102 (1999)
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[Publications] Jimi,E.et al.: "Osteoclast differentiation factor acts as a multifunctional regulator in murine osteoclast differentiation and function"J.Immunol.. 163. 434-442 (1999)