2000 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン抵抗性症候群モデルラットの開発-速筋優位モデルラットを用いての検討
Project/Area Number |
11558002
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
熊谷 秋三 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (80145193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桧垣 靖樹 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (10228702)
中村 友浩 大阪工業大学, 一般教育科, 講師 (30217872)
勝田 茂 東亜大学, 大学院・総合学術研究科, 教授 (70038446)
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Keywords | FFDR / 筋線維組成 / 糖取り込み / インスリン感受性 / 高脂肪食 |
Research Abstract |
高脂肪負荷の脂肪蓄積への影響 これまでに脂肪蓄積と速筋線維構成比に正の相関関係が報告されている.この現象の背景としては速筋線維が遅筋線維よりも酸化系酵素活性が低く,脂質代謝能が低いことが考えられているが明らかとはなっていない.そこで,速筋線維優位ラット(FFDR)と対照ラット(CR)に6週間の低脂肪食(20%fat)または高脂肪食(60%fat)を負荷したところ,CRの方が脂肪蓄積性が高くFFDRの方が肥満耐性が高いという,先行研究とは逆の結果が得られた.その背景を探るため筋の生化学的特性を比較検討したところ,FFDRの方がCRよりも筋の酸化系酵素活性が高いことが示された.これらの結果から,筋線維組成自体は脂肪蓄積を規定しておらず,筋の酸化能が脂肪蓄積性のリスクファクターであることが強く示唆された.本研究の結果はInternational Journal ofObesity誌に投稿中である. インスリン感受性への影響 速筋線維構成比はインスリン刺激による糖取り込みと負の相関関係を示すことが報告されている.このことから,筋線維組成がインスリン感受性の規定因子である可能性が考えられる.その一方で,インスリンには筋線維組成を速筋線維方向に変化させる作用があり,インスリン抵抗性に伴う高インスリン血症が筋線維組成を変化させている結果である可能性も考えられている.そこで,遺伝的に高い速筋線維構成比を有するFFDRに4週間の低脂肪食(20%fat)または高脂肪食(60%fat)を負荷し,その後インスリン感受性の優れた評価法であるhyperinsulinemic euglycemic clamp法によりインスリン感受性を調べ,同じ食事制限を負荷されたCRと比較する実験を現在継続中であり,間もなく結果が得られる予定である.
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Research Products
(1 results)