1999 Fiscal Year Annual Research Report
脱分極誘発色素を用いたレーザーphoto-stimulationシステムの開発
Project/Area Number |
11558094
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 容子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (70251501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 茂夫 林原生物化学研究所, 感光色素研究所, 所長
神野 耕太郎 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (40025630)
佐藤 勝重 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (80291342)
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Keywords | 脱分極誘発色素 / レーザー / Photo-stimulation / 膜電位感受性色素 / 光学的測定 / RGA-30 |
Research Abstract |
神経や筋細胞の興奮に伴う生理的機能の解析にあたっては、電極を用いて電気的な刺激を与えるか、神経伝達物質などの生理活性物質を外部からapplyするなどの方法が用いられる。このような刺激法では、空間分解能が低く、特定の細胞/細胞微小膜領域や特定のシナプスなどを選択的に刺激することが困難であるため、複雑な細胞ネットワークのつながりやそのメカニズムを解析する場合に困難な問題点が生じることが多い。我々は、長年、膜電位感受性色素を用いた細胞電位活動の光学的計測の研究を行ってきたが、RGA-30と名付けた色素が、光照射によって細胞膜を非侵襲的・可逆的に脱分極させる性質を持つことを見出した。本研究では、この"脱分極誘発色素"にレーザーマイクロビームを組み合わせ、組織、細胞の任意の極微小膜領域を非侵襲的に刺激する"レーザーmicro-photostimulationシステム"を開発するとともに、より優れた脱分極誘発色素・過分極誘発色素の開発・スクリーニングを行い、その実用化を図ることを目的とする。 本年度は、まず林原生物化学研究所・感光色素研究所の安井の担当で、RGA-30と類似構造の色素の合成を行った。また、システムに関しては、(株)三啓の協力のもと、以下の手順で開発に着手した。脱分極誘起用のトリガー光は、光量調節部をとおり、照射径切り換え部で照射範囲が制御された後、ダイクロイックミラーを経由して顕微鏡のカメラポートから顕微鏡内部に入るように設計した。トリガー光は対物レンズで集光され、標本に照射される。トリガー光の照射タイミングは、シャッターにより制御され、標本上のX-Y方向における照射位置は、ミラーを移動させることにより調節されるよう工夫した。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] Arai, Y. et al.: "Optical mapping of neural network activity in the chick spinal cord at an intermediate stage of embryonic development."Journal of Neurophysiology. 81. 1889-1902 (1999)
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[Publications] Momose-Sato, Y. et al.: "Optical imaging of spatiotemporal patterning of neural responses in the embryonic chick superior cervical ganglion."Neuroscience. 90. 1069-1083 (1999)
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[Publications] Momose-Sato, Y. et al.: "Optical identification of calcium-dependent action potentials transiently expressed in the embryonic rat brainstem."Neuroscience. 90. 1293-1310 (1999)
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[Publications] Sato, K. et al.: "Optical mapping reveals the functional organization of the trigeminal nuclei in the chick embryo."Neuroscience. 93. 687-702 (1999)
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[Publications] Momose-Sato, Y. et al.: "Evaluation of voltage-sensitive dyes for monitoring for long-term recording of neural activity in the hippocampus."Journal of Membrance Biology. 172. 145-157 (1999)
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[Publications] Tanaka, T. et al.: "Physiological consistency in trial-to-trial variation in intrinsic-optical responses to single-whisker movement in the rat D1-barrel cortex."Neuroscience Research. (in press) (2000)
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[Publications] Momose-Sato, Y. et al.: "Optical approaches to embryonic development of neural function in the brainstem."Progress in Neurobiology. (in press).
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[Publications] 神野耕太郎 他: "膜電位感受性色素をもちいた計測と解析法"日本生理学雑誌. 61. 95-134 (1999)
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[Publications] 新井嘉容 他: "鶏胚脊髄スライス神経回路網の光学的マッピング"脊髄電気診断学. 21. 5-8 (1999)
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[Publications] 新井嘉容 他: "焦点/基礎研究最前線 光学的計測法による脊髄神経回路形成の解析"脊椎・脊髄ジャーナル.
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[Publications] 神野耕太郎 他: "膜電位活動の光学的計測"日本レーザー医学会誌. 20. 391-403 (1999)
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[Publications] 佐藤勝重 他: "non-RI分子生物学実験プロトコール"羊土社. 199 (1999)