2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610120
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山田 純 広島大学, 総合科学部, 教授 (00116691)
|
Keywords | 難読症 / 語と文理解の乖離 / 失語症 / 語頻度逆説 / 英語語彙 / 心的辞書 |
Research Abstract |
心的辞書の構成素に関わる諸問題を以下の5つの部門に分けて研究した。 (1)日本語の文字特性と難読児との関係について音節と形態素の処理を考察し、ドイツ語図書の1章分として発表した(P.Haase(Hrsg.))。 (2)日本語の難読児(1名)について、語の認知が高いが、文章理解力が低いという乖離現象を記述し、その乖離のecological etiologyについて新しい知見を提出した。 (3)Breedin et al.(Brain & Lang.,1998)は、失語症患者の文生成課題において、動詞が意味的に複雑であれば、その動詞が生成されやすいことを実証した。その現象の別解釈として、健常者に見られるfrequency paradox(語再認課題において低頻度語が高頻度語よりも再認成績がよいという逆説現象)の特殊例であるという論を展開した(Brain & Lang.,in press)。 (4)邦人大学生の英語基本語4,000語の語彙テストを実施し、その知識構造を分析し、心的構成素を考察するとともに、邦人の英語学習を生態学的に推論した。 (5)漢字想起実験によって漢字とその構成部首との意味的連合度を明らかにし、漢字想起メカニズムのモデルを提案した。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Yamada,J.& Takashima,H.: "The semantic effect on retrieval of radicals in logographic characters"Reading and Writing : An Interdisciplinary Journal. (In press).
-
[Publications] Yamada,J.: "The frequency paradox in disguise : A response to Breedin et al."Brain and Language. (In press).
-
[Publications] Yamada,J.: "Zum Leseverstehen und seinen Storungen in Japanischen"P.Haase (Hrsg.) Schreiben und Lesen sicher lehren und lernen Borgmann(出版社). 169-175 (2000)
-
[Publications] Yamada,J.: "Learning to read in Japanese : Word to sentence reading"I.Smythe (ed.) The International Book of Dyslexia Wiley(出版社). (In press).
-
[Publications] 高島裕臣,山田純,国本和恵,竹内絵美: "5000語への挑戦-英語メンタルレキシコンの探究・従属変数の解釈から独立変数へ"英語教育研究. No.43. 31-39 (2000)