2000 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚障害および重複の障害を持つ児童における抽象的概念に獲得プログラムの開発
Project/Area Number |
11610147
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
望月 昭 立命館大学, 文学部, 教授 (00166323)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 崇 筑波大学, 心身障害学系, 助手
土田 宣明 立命館大学, 文学部, 助教授 (40217328)
藤 健一 立命館大学, 文学部, 教授 (20097885)
|
Keywords | 聾重複生徒 / 自閉症生徒 / 条件性弁別課題 / 時制文脈 / 抽象的概念 / 複数モード / Windows Match / パーソナルコンピュータ |
Research Abstract |
1.聾重複生徒についての複数モード学習:聾学校に通う(聴覚障害と判断される)中・重度の知的障害を持つ生徒を対象に、「バスの行き先表示」の理解を中心に、行き先の名称(文字)、指文字、当該バスについての等価関係を条件性弁別課題によって行い、様々な角度から見たバスを対象に、その(行き先についての)表出の般化が確認された。 2.重複成人における時制学習:聴覚障害と知的障害を併せ持つ成人3名を対象に、行為を文脈刺激とする「まだ/おわり」の時制分脈に関する理解と表現の獲得(例:ごはん・まだ/おわり)をデスクトップ型の高次条件性弁別課題を用いて試み、日常場面での自らの行為に対する表出の般化実現が試みられた。3名のうち2名について完成したが、一部日常での直接学習も必要であった。 3.自閉症児への応用:2名の自閉症児童・生徒において、2.で聾重複の成人で試みた、行為の文脈に応じた「まだ/おわり」の判断についてその成立条件を検討した。その結果、高次の条件性弁別訓練を用いて、未訓練の対象事象に対する「まだ/おわり」の理解や日常事象への表出も可能となった。時制文脈といった抽象的概念を高次条件性弁別を用いて獲得できることが、自閉性障害のある児童にも適用できることが確認された。 4.PC学習ソフトの精錬:大学生を対象に、手話と2種類の恣意的な刺激項との間の刺激等価関係の確立を、開発中のWindowsMatchのソフトを改変し、PC画面で手話を「動画」として提示した課題としてその成立が検討された。その結果、三項間の等価関係のみならず表出についても転移可能であることが示された。当ソフトを用いて、パーソナルコンピュータを用いて、手話を含めた複数モードの語彙学習や、動きのある対象(例:行為を伴う対象:動詞など)についても応用していく可能性が示された。
|