1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610228
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Research Institution | Hirosaki Gakuin University |
Principal Investigator |
山田 等 弘前学院大学, 社会福祉学部, 教授 (70258763)
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Keywords | 老人 / 余暇 / 旅行 / ゲートボール / 散歩 / 温泉 |
Research Abstract |
今年度は、老年期の余暇活動のうち、ゲートボール、旅行、散歩についての予備的調査をおこなった。以下、これらの調査で得られた知見の一部を略述する。ゲートボールをする老人では、健康のため、地域社会のなかでのつながり、より具体的には、そこでのおしゃべりなどが楽しみとしてあげられてある。くわえて、ゲートボールの審判になるため、時間と費用をかけつつ、その1級などの資格取得を楽しみとしてあげる人もいる。他方、ゲートボールが地域社会にメンバーを限りがちなので、そこでの軋轢がメンバーのチームからの離脱などを生じやすい。 旅行では、老人の場合、健康であれば時間もあり、老夫婦あるいは老人クラブでの温泉旅行を楽しむこともできる。しかし、老年期に生じた疾病のため四肢の一部や内臓に疾患や障害を抱えた場合、一人あるいは老夫婦だけでは出かけられず、また団体旅行などでは他人に迷惑を掛けることをおそれて参加できない。その結果、彼らは娘夫婦などの家族との旅を楽しみにしている。他方、娘夫婦など一緒に旅をする家族は、その行為を「親孝行」と規定して、自らの楽しみを断念せざるをえない。たとえば、家族は健康であり多くの観光地を巡りたいが老親のため諦めたり、旅行地近くでの簡単な山麓での散策でさえ断念せざるをえない。また、老人の頻尿や排泄の介助のため、トイレの場所などに常に配慮しなければならない。 散歩では、老人は健康のため散歩することを心掛ける。それは楽しみであるが同時に生活上の義務となっている。家族から健康のため散歩せよ、と言われたりしているのだ。しかし、四肢に障害のある場合、歩く速度が遅く冬など寒いときにはかえって健康を害する。
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