2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610228
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Research Institution | Hirosaki Gakuin University |
Principal Investigator |
山田 等 弘前学院大学, 社会福祉学部, 教授 (70258763)
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Keywords | 老人 / 余暇 / 旅行 / ゲートボール / 散歩 / 温泉 |
Research Abstract |
今年度は、老年期の余暇活動のうち、ゲートボール、湯治を含む旅行、スキューバダイビングについての参与観察および聞き取り調査をおこなった。以下、これらの調査で得られた知見の一部を、昨年のものを除いて略述する。ゲートボールでは、地域社会にメンバーを限ざるをないことから、政治家が関与する例がみられる。たとえば「○○○○(代議士)杯」と名付けた大会がある。その代議士を支持する老人には、自らが自力者とかかわることを誇示できる場であり楽しみが大きいが、支持しない老人には居心地が悪い。 湯治では、調査地が多人数収容の場所であることも影響して、次のような発見となった。現在の湯治場は、老若を問わず、安い旅館の感覚で来る客が多い。期間も3日といったような短いものから1ヵ月までさまざまだ。自炊のための炊事場はあるが、老人は作ることをおっくうがり、部屋でカップラーメンなどの簡単なものを食べるといったような状態である。したがって、炊事場や部屋での人々のやりとりなどは少ない。もちろん、病気療養を目的として、長く各地の温泉を泊まり歩く老人もいる。 スキューバダイビングでは、老人といっても60歳台の女性が楽しんでいる。水泳をもともとやっていてその延長線上にはじめたとか、腰に負担が少ないからはじめた、と言う。この余暇活動は、湯治などとは異なり、60歳台の今ならやれる、だからやるのだ、という人がいる。これ以上歳をとったのではできない、と思ってはじめたのだ。老人の楽しみといっても、老人に特有の「枯れた」遊び(湯治)もあれば、仄かな火を灯す遊び(ゲートボール)真っ赤に燃えさかえようとする遊び(スキューバダイビング、社交ダンス)もあることが知られた。
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