1999 Fiscal Year Annual Research Report
「教育経営機能」強化に果たす地方「教育公社」の役割と課題に関する研究
Project/Area Number |
11610264
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高見 茂 京都大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (60206878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湊 敏 奈良大学, 教養部・情報処理センター, 教授・センター長 (40181945)
白石 裕 京都大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (50025110)
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Keywords | 地方公社 / 教育公社 / 財団 / 社団 / 補助金 / 経営分析 / 人員削減 / 人件費抑制 |
Research Abstract |
本年度の研究は、前半において、指定都市を中心に、高見、白石が中心となって、教育関係公社のヒアリングを実施し、アンケート作成の基礎資料、情報収集を行った。後半においては、それらを基にアンケートを作成し、都道府県、指定都市、市町村の設置する教育関係公社、1233公社にアンケートを送付した。2月29日段階で520件の回答が寄せられた。湊の指導の下、回収したアンケートのコーディングの作業を開始し、統計パッケージSPSSを利用してデータの打ち込み作業を行った。以上のデータ作成作業はほぼ完了し、具体的分析作業にこれから着手する予定である。 回収済みのアンケートを一瞥したところでは、財務体質はあまり芳しくない公社が多かった。公社によっては、詳細な財務諸表を送付して頂いたケースもあったが、一般会計からの補助金、委託金で何とか組織運営しているケースがほとんどであった。独立採算の状況からはほど遠い存在であった。人事についても主管部局からの独立性はあまり強くなく、採用については主管課の承認を必要とする等、強いコントロールを受けている場合が多かった。また、公社は、本庁ないしは主管部局の人員削減、人件費削減のための受け皿機能を果たしている点にその特徴があるといえると指摘できよう。公社の管理スタッフの意識も、採算性・収益性意識は必ずしも高くはなく、むしろ受益者の利便性を重視している傾向が強い。公社の経営管理層には、教育専門家を招聘するなど、教育の特性に配慮した対応も見られるものの、財務内容の経営分析については、ほとんど実施していないのが実情であった。
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