2001 Fiscal Year Annual Research Report
教育裁判における裁判官の教育観の諸相と裁判所の判断へのその影響
Project/Area Number |
11610290
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
村田 徹也 愛知大学, 文学部, 教授 (90271379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 勇 愛知大学, 文学部, 助教授 (60221157)
安井 俊夫 愛知大学, 経済学部, 教授 (50267879)
佐々木 享 愛知大学, 短期大学部, 教授 (10083601)
太田 明 愛知大学, 法学部, 助教授 (30261001)
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Keywords | 裁判官の子ども観 / 裁判官の教師観 / 裁判官の学校認識 |
Research Abstract |
〔類似した教育判例を比較・検討することによって、以下の点を実証的に明らかにすることができた〕 1、裁判官の「子どもの観」と裁判所の判断 裁判との関係で見た場合に、裁判官の「子ども観」で重要なのは、子どもの権利のとらえ方と、子どもの実態についての認識である。すなわち、子どもを「権利の主体」として見るのか、それとも教育の対象として見るのかによって、裁判所の判断は大きく異なってくる。 2、裁判官の「教師観」と裁判所の判断 裁判官が、教師の責務と権限を、まず教育の視点からどのようにとらえているかは、関係する法の解釈に一定の影響を及ぼさざるを得ない。自由で創造性豊かな教師と、ひたすら上司の意向に忠実な教師と、どちらが子どもにとって大切だと考えるのか、その違いが裁判所の判断に微妙な影響をおよぼしている。 3、裁判官の学校認識と裁判所の判断 学校での出来事は、個々の教師の行為と、その背景にある学校全体の状況の両面から検討しないと事実を性格につかむこができない。教育裁判では、裁判官が「学校」という組織の性格、その時の学校の状況をどのように見るかによって裁判所としての判断が異なってくる。 4、子ども、教師、父母、教育行政機関の間の教育法関係 父母、教師、国は、共同して、子どもの「学習し、発達する権利」を保障する責務を負っている。では、この三者の間の教育法上の法関係はどのようにあるべきか。
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