1999 Fiscal Year Annual Research Report
マルチメディア方式による聴覚障害の疑似体験教材の開発
Project/Area Number |
11610306
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Research Institution | National Institute of Special Needs Education |
Principal Investigator |
佐藤 正幸 国立特殊教育総合研究所, 聴覚・言語障害教育研究部, 主任研究官 (50222021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷲尾 純一 筑波大学, 心身障害学系, 助教授 (80220854)
菅原 廣一 国立特殊教育総合研究所, 聴覚・言語障害教育研究部, 部長 (30000269)
小田 侯朗 国立特殊教育総合研究所, 聴覚・言語障害教育研究部, 室長 (30158828)
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Keywords | 聴覚障害 / 補聴器 / 補聴機器 / 疑似体験 / 難聴児 / 通常の小学校 / 障害の理解 |
Research Abstract |
本研究は、聴覚障害児が在籍する通常の小学校及び中学校の児童・生徒を対象とした聴覚障害への正しい理解を深める疑似体験教材を開発することを目的としている。そこで、本年度は補聴器及び補聴機器に関する理解の問題についての資料を収集し、小学校高学年、児童・生徒を対象とした補聴器の理解に関するビデオテープ教材を作成した(特に、補聴器を通した音声の聴取体験を含む)。さらにこのビデオテープについて、通常の小学校及び中学校にて聴覚障害理解のための授業を行うことによって、実践的評価を行った。その結果、以下のことが得られた。 ○補聴器は、静かなところでははっきりと音を大きくして聞こえやすくしてくれるが、周囲がうるさいところではうるさいだけで役に立たないことが理解できた。 ○補聴器を活用している聴覚障害児に対しては、聞き易い場合と聞き難い場合があることが理解できた。 ○補聴器の基本的な知識が理解できた。 ○この教材は、通常の学校にいる健聴の児童及び生徒に対して、補聴器に関する理解を促進させたばかりでなく、実際に補聴器を活用している聴覚障害児についても自身の補聴器の基本的な知識・情報が提供され、理解に役立てられた。 ○課題としては、補聴器及び聴覚障害に関する用語が難解であるので、簡略化すること。補聴器を通したシミュレーションでは場面が限定されていたので、その場面を増やし、さらにわかりやすいものにすることなどが出された。 次年度は、ここで得られた結果をもとに、教材の改良を重ねていく。
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