2002 Fiscal Year Annual Research Report
「夜明け前」の世界の歴史学的解明―幕末期中津川国学者史料の収集と公開―
Project/Area Number |
11610337
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
宮地 正人 国立歴史民俗博物館, 館長 (70011327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箱石 大 東京大学, 資料編簒所, 助手 (60251477)
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Keywords | 夜明け前 / 平田国学 / 幕末維新 / 島崎正樹 / 間半兵衛 / 市岡殷政 / 大黒屋日記 |
Research Abstract |
1.4年間の研究を集約するために作業をおこなった。第一は、中津川の間譲嗣家、市岡楯子家、菅井深恵家、勝野正彦家、間和夫家、附地の田口慶昭家、岩村の浅見専一郎家、愛知県稲武の古橋茂人家において撮影・焼付けした史料を一点ごとに封筒に入れ、一点ごとに全文の読解をおこなった上で、相互に比較しながら、一点ごとの史料(圧倒的多数は書翰)の年月日を確定し、編纂をおこなった。その結果、全点数は1111点、内884点については年月日を確定させることが出来た。この史料を編年化することによって、中津川国学者の国事周旋活動及び学術活動が微細な部分に至るまで明白にすることが可能になったことは大きな成果である。第二は、市岡家に所蔵されている市岡殷政風説留全10巻の一点目録を作成した。第1巻58点、第2巻158点、第3巻194点、第4巻185点、第5巻356点、第6巻126点、第7巻268点、第8巻228点、第9巻170点、第10巻131点、総点数1874点となった。この風説留には、編年目録には存在しない数多くの書翰も含まれ、両者あわせて、はじめて中津川国学者の活動全体を掌握できるものとなる。 2.成果報告書を作成するなかで出て来た不明点を明らかにするため、中津川に出張して、原史料との照合をおこない、調書を訂正した。 3.前年度にひきつづき、東京代々木にある平田篤胤を祭る平田神社に所蔵されている平田家史料の調査を継続した。この調査によって、中津川国学者史料の全国史的レヴェルにおける重要性が更に明らかとなり、また中津川国学者史料調査を今後どのように発展させるかの見通しをつけることが出来た。 4.中津川での文化団体中山道歴史資料保存会の中山道資料館(仮称)建設運動に対し、史料保存の観点から、可能な範囲で協力した。
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Research Products
(1 results)