2001 Fiscal Year Annual Research Report
縄文時代後・晩期における居住システムの転換と分節化社会の発達過程の研究
Project/Area Number |
11610412
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
武藤 康弘 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (80200244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 青樹 國學院栃木短期大学, 専任講師 (30284053)
中村 大 國學院大學, 文学部, 助手 (50296787)
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Keywords | 縄文時代後・晩期 / 住居跡 / 堀立柱建物 / 集落遺跡 / 低湿地遺跡 / 墓地遺跡 / 複雑狩猟採集民 / トチノミ |
Research Abstract |
研究代表者の武藤は、縄文時代後・晩期の遺跡立地の低地化と住居構造の転換に関して、日本考古学協会2001年度大会において、「亀ヶ岡文化の集落遺跡の構造」と題する研究発表を行なった。また、今年度は縄文時代における植物食特に堅果類や根茎類の可食化の問題について重点をおいて研究を行なった。これは、縄文時代後・晩期の遺跡立地の低地化の要因として、低湿地遺跡から大量に出土するクリ、トチノミといったものを食料資源として、重視し、重点的に開発したためではないかと考えたからである。この視座から、9月には、堅果類食習の比較研究のために、米国カルフォルニア大学バークレー校人類学博物館を訪問し、カルフォルニア先住民のドングリ食に関する資料を収集した。また、10月には「関西縄文時代研究会」の大会を奈良女子大学で開催し、近畿地方の縄文時代の貯蔵穴等を集成した。さらに、11月から12月にかけて、奈良県川上村において、トチノミ食の民族調査を行い。トチノミの粒加工でありながらアクヌキに加熱処理を伴わない、貴重な可食化の工程を調査することができた。本年2月には、国立民族学博物館で開催された縄文時代の植物食のシンポジュウムにおいて、東北大学の鈴木三男氏ならびに静岡大学の佐藤洋一郎氏と縄文時代の植物質食料資源の開発について討議する機会をえた。 研究分担者の中村大は、日本考古学協会2001年度大会において、東北地方から北海道の縄文時代の墓の資料を集成し、墓地遺跡の副葬品の出土状態に関する論文を発表した。 研究分担者の小林青樹は、縄文時代晩期末の堀立柱建物と弥生時代の堀立柱建物系統的関連性に関する研究を行なった。
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Research Products
(2 results)