1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610459
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
山下 則子 国文学研究資料館, 文献資料部, 助教授 (40311162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅田 徹 国文学研究資料館, 文献資料部, 助教授 (10300691)
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Keywords | 草双紙 / 近世演劇 / 歌舞伎 / 浄瑠璃 / 浮世絵 / 役者絵 |
Research Abstract |
草双紙は、研究があまり進んでいない分野であり、所蔵されている文庫へ行って影印を作成する所から調査が始まる。併せて、演劇からの影響を研究するのに必要不可欠な役者絵も、資料整理や研究がなされていず、博物館や美術館で調査し、影印を作ることが第一歩である。科研費の交付を受けた初年度である本年度は、東京都立中央図書館加賀文庫、同東京誌料室、東京国立博物館、町田市国際版画美術館、東京芸術大学大学美術館、早稲田大学演劇博物館、阪急池田文庫、関西大学附属図書館、京都大学附属図書館、茨城大学附属図書館、名古屋市博物館、南山大学附属図書館等に行き、草双紙や役者絵の調査及び写真撮影等の影印作成を重点的に行った。可能な限り高品質な画像を得、将来的には、コンピューターによる画像データベースを作成するためにも、ポジフィルムによる撮影とし、スライドフィルム・写真版どちらでも保存可能な状態とした。また、大正期からの演劇と関わりを持った草双紙に関する研究論文のデータベースも作成した。 これらの研究の成果として、一九九九年六月、第一回国際浮世絵学会大会における学会発表として、「『役者絵原稿』と三代目豊国画役者大首絵」を行い、数多くのスライドを用いて、新出の三代目歌川豊国とその弟子達による下絵資料を紹介し、高い評価を得た。また、一九九九年一二月、演劇研究会「近松の会」において「浄瑠璃抄録もの草双紙について-青本『こく性や合戦』を中心として-」と題した研究発表を行い、近世演劇(特に浄瑠璃)と草双紙との関係について論及している、大正期からの先行研究のデータベースを、浄瑠璃作品名及び草双紙作品名で容易に検索しうるように発表し、草双紙研究者のみならず、演劇研究者からも、近世演劇の江戸における需要を考察する重要な資料たりえるとの評価を得た。
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Research Products
(2 results)