2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610467
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
富永 一登 広島大学, 文学部, 教授 (70132636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高西 成介 高知女子大学, 文化学部, 講師 (50316147)
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Keywords | 太平広記 / 捜神記 / 捜神後記 / 古小説鉤沈 / 中国古小説 / 志怪 / 伝奇 / 説話 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、5人の研究補助者の協力を得て、昨年度完成させた『太平広記』・『捜神記』・『捜神後記』・『古小説鉤沈』のデータベースの字句の異同を校勘し、より完全なテキストファイルを作成した。同時に、研究分担者との2回の研究協議を通して、民俗学に関する文献・日本の昔話研究や随筆研究を参考にしながら類話集成の項目を検討し、人名・地名・書名・動植物名・夢・再生・別世界・鬼・神仙・妖怪・民間信仰・仏教・道教などの細目を定め、パソコン検索に必要な原文のキーワードの項目について、順次検討を行った。更に、毎週一回の研究補助者たちとの『太平広記』原文の読解作業を継続し、一話全体の要約、一句または数句にまたがる話題の項目を日本語で記述する作業を行っている。ここでも、後の集計作業の便を考えて、日本語のキーワードの統一をはかることを心がけている。 また、唐代小説では初期の段階に属し、後の作品に大きな影響を及ぼしている『広異記』の読解も平行して行い、類話項目の作成に利用可能な資料を集めることができた。六朝小説については、董永説話の構成要素を分析し、説話継承を探るための類話集成を試みた。いずれからも、所謂小説に分類される書物以外の古代からの書承伝説も視野に入れる必要性を感じので、今後の研究では『太平御覧』の分類項目も検討対象に入れることにした。 これらの成果をもとにして、来年度には、本研究の目的である日本・中国の説話・小説研究の基礎となり得るような類話集成を作成する予定である。
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