2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610485
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坪井 栄治郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (40180046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 義樹 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (20218209)
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Keywords | 類型論 / 対照言語学 / 事象構造 / 認知言語学 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度のデータ収集及び分析などを主とした作業を受けて、事象構造の概念化に関する先行研究の批判的検討を行い、事象構造の概念化をめぐる理論の洗練に重点を移した。具体的には、認知言語学の研究法がどのように新たな研究パラダイムの形成に貢献する可能性を持つかについての一般的考察を行い(これは「雑誌論文」の1番目として発表された)、本研究の理論的基盤の重要な部分を構成する「動的使用依拠モデル」について再検討を行った。(そのモデルについての詳細な議論を行ったR.W.Langackerの"A Dynamic Usage-Based Model"を翻訳紹介したものが「図書」の1番目。)事象構造の概念化に関する類型論的な観点からの考察も、使役構文や知覚構文などの具体的な構文の分析を行い、それに基づいた上で理論的な視点からの新たなモデルの構築について考察した。(この一部は「図書」の2番目として活字発表され、別の一部は日本認知言語学会設立記念大会のシンポジウムで"The Autonomy lssue Revisited"として西村によって口頭発表され、平成13年度中には活字出版される予定である。)自他・態についての事例研究としては、日本語の受動構文を今年度に予定し、現代日本語の受動文の中核をなす「二受身」の分析は主に坪井が担当し、これも平成13年度中には活字発表の予定である。「雑誌論文」の2番目と3番目は認知言語学の理論的基盤を確立した二人の研究者についてのもの。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 西村義樹: "認知言語学の視点"日本語学. 18巻5号. 184-191 (2000)
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[Publications] 西村義樹: "ラネカー"大航海. 6巻3号. 134-140 (2000)
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[Publications] 坪井栄治郎: "レイコフ"言語. 30巻3号. 198-199 (2001)
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[Publications] 坪井栄治郎(共著): "認知言語学の発展"ひつじ書房. 465 (2000)
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[Publications] 西村義樹(共著): "認知言語学の発展"ひつじ書房. 465 (2000)