1999 Fiscal Year Annual Research Report
琉球・四国・九州諸方言におけるガ行子音の変容に関する研究
Project/Area Number |
11610559
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
久野 眞 高知大学, 教育学部, 教授 (20178023)
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Keywords | 高知方言 / 琉球方言 / 音声 / ガ行 / 九州方言 / 軟口蓋音 |
Research Abstract |
平成11年度は高知県大豊町において臨地調査を実施した。3名の調査協力者により、ガ行子音および関連する発音を含む176項目の単語について、20歳台から90歳までの土地生え抜きの話者75名の資料を得ることができた。 調査方法は、調査車が話者の自宅を訪問し、調査表に示した単語を読み上げてもらい、その都度音声記号で書き取る方式によった。明瞭な発音の場合は1回の発音を書き取ったが、似ている音環境で異なる発音が観察された場合はもう一度該当する部分を発音してもらった。 その結果、ガ行子音は語頭で有声軟口蓋破裂音であり、母音間では渡りの鼻音をともなって発音されることが分かった。渡り音が観察されるのは高齢者になるほど顕著であり、若年層になるに従って母音問でも有声軟口蓋破裂音になる傾向が見られた。 高知市における高年層話者の自然談話には軟口蓋鼻音が観察されることから、大豊町でも軟口蓋鼻音があると予想していたが、軟口蓋鼻音は今回の調査ではほとんど観察されず、これが単語読み上げ方式によるものなのか大豊町の特色なのか今後明らかにする必要が出てきた。 今年度は宮古諸島の伊良部島においても臨地調査を実施した。従来の研究では、伊良部島の伊良部・仲地両集落において、ガ行子音が母音間で声門破裂音として現れる例があるということであった。今回の調査でその様子を詳しく知ることができたほか、従来ほとんど報告の無かったカ行子音もかなりの程度声門破裂音化することが分かった。
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