2000 Fiscal Year Annual Research Report
NPO法の立法過程・運用実態と自治体の法務能力育成に関する調査研究
Project/Area Number |
11620019
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
多賀谷 一照 千葉大学, 法経学部, 教授 (40114293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 庸夫 千葉大学, 法経学部, 教授 (20110273)
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Keywords | NPO / 立法過程 / 地方分権 / 交通安全 / 立法政策 / 政策法務 |
Research Abstract |
公的組織と民間営利企業の中間にある組織としてのNPOが、日本社会において法的な存在として認知されていく立法過程が明らかにされた。行政官僚によって作成された原案を元にした政府提出法案というわが国において通常見られる立法過程ではなく、議員立法活動に因を発したNPO法の立法過程の分析を通じて、市民活動に端を発して法律が制定されていくという新たな可能性が示された。 介護、交通安全、社会教育、防災などの具体的な社会政策施行の中で、NPOが既存の行政組織、法体系の中で、どのような役割を担っていくかについての予測・分析が行われた。 現在、NPOについては、法人事業税の減免税問題が検討されている。それぞれの分野のNPOが減免税の対象となるかは、NPOが行う事業が、社会において果たす公益的役割の評価、他方において、徴収した税を財源として、行政機関が公的施策として行う事業の場合との、多方を比較する作業を行うことが前提となる。本研究は、そのような作業のための足がかりとなる分析を行っている。 地方分権法制の大改革に伴い、都道府県・市町村に委ねられる自治事務の範囲が大幅に拡大する中で、地方自治体の政策法務の一環としてNPOによる自治的な行政を織り込むあり方が、いくつかの事例を踏まえて検証された。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] 朴相権,鈴木春男,尾形隆彰 編 千葉大学大学院社会文化科学研究科研究プロジェクト報告書: "道路交通(安全)にかかわる日本のNPO試みと課題-子供の安全ネットワーク・ジャパンと交通行政オンブズマンの事例を中心に-"現代都市空間における生活の変容/メディアの変容(II)NPOとその周辺 鈴木春男,尾形隆彰 編 千葉大学院社会文化科学研究科 研究プロジェクト報告書. 37-61 (1999)
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[Publications] 橘幸信: "分権時代の法令の読み方・作り方"地方自治職員研修. 1999年10月号. 21-25 (1999)
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[Publications] 橘幸信: "総合介護条例のつくり方〜「条例をつくる」ということ〜"月刊地方分権. 2000年1月号. 84-90 (2000)
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[Publications] 橘幸信: "政策形成・政策評価における「条例づくり」の意義"神奈川県自治総合研究センター『自治体学研究』第80号. (近刊). 4 (2000)
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[Publications] 多賀谷一照: "危機管理と行政システム(二)"自治研究. 76巻4号(予定). (2000)
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[Publications] 鈴木庸夫: "地方公共団体の役割及び事務"ジュリスト特集号(2000年.4月刊). (2000)
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[Publications] 橘幸信: "知っておきたいNPO法"大蔵省印刷局. 144 (1999)
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[Publications] 多賀谷一照: "行政情報化の理論"行政管理研究センター. 194 (2000)
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[Publications] 橘幸信: "総合介護条例のつくり方(共編著)"ぎょうせい. 160 (1999)