2000 Fiscal Year Annual Research Report
技術連関表に基づく日本の研究開発基盤の評価及び科学技術政策の立案に関する研究
Project/Area Number |
11630035
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Research Institution | SAITAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
菰田 文男 埼玉大学, 経済学部, 教授 (60116720)
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Keywords | 科学技術 / 科学技術政策 / 技術連関表 / 情報通信 / ネットワーク / 日本の政策 / データベース / 研究開発基盤 |
Research Abstract |
本研究の基本的目的は、 (1)科学技術データベース(論文データベースのINSPEC,COMPENDEX, JOIS、および特許データベースのPATOLIS,WPI等)を用いて技術連関表を作成し、世界の科学技術の進歩の基本的トレンドを明らかにすること(とりわけ、情報通信分野のそれを明らかにすること)、 (2)アメリカの技術連関表と日本のそれを比較対照することによって日本の科学技術の進歩が世界の潮流の中でどのように位置づけられているかを解明すること、 (3)日本の研究開発基盤の特質や問題点を析出すること、 にあった。11年度は主として技術連関表の作成に重点が置かれたが、12年度はその解析・解釈に重点を置いて分析した。 上の3点のうち、(1)(2)については世界の情報通信ネットワークがソフトウェアをベースとしたコンピュータネットワーク(インターネットに代表される)に向かっているのに、日本がハードウェアにバイアスのかかったテレコムネットワーク(電話網の延長上にある)への指向が、1990年代を通して強かったことを解明することが出来たこと、等、当初の目的をかなりの程度において達成できた。とりわけ、INSPEC,COMPENDEXから作成された技術連関表や、WPIの検索から得られた主要国の特許取得件数のデータがこの分析に極めて有意義であることが分かった。今後の課題として、さらに情報通信分野に限らず、21世紀に間違いなく重要になる生物生命科学・工学分野にまで拡大して分析することの必要性を確認することが出来た。(3)については、上述の日本の特徴が、マクロ的(産業組織や官民の連携システム)にもミクロ的(企業組織や雇用慣行)にもにもさまざまなレベルでの制度的要因と不可分であること等を解明できたが、さらに今後の一層の分析が必要であることが確認された。
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[Publications] 菰田文男: "新しい消費社会と研究開発システム"経営情報学会誌. 77巻1号. 106-109 (1999)
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[Publications] 菰田文男: "技術連関表と日本の戦略"研究開発マネジメント. 1999年2月号. 34-41 (1999)
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[Publications] 菰田文男: "ネットワーク社会のビジョンを提起する『通信白書』"郵政研究所報. 144号. 42-44 (2000)
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[Publications] 郵政研究所: "インターネットの進化と日本の情報通信政策"日鉄技術情報センター. 263 (2000)
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[Publications] 浦山重郎: "サイバーネットワーク"NTT出版. 296 (1999)
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[Publications] 国際通信経済研究所: "インターネットの現状と課題"国際通信経済研究所. 179 (2000)
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[Publications] 菰田文男: "科学・技術と価値"多賀出版. 269 (2000)
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[Publications] 国際通信経済研究所: "インターネットの現状と課題"国際通信経済研究所. 213 (2001)