2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640143
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Research Institution | Osaka International University |
Principal Investigator |
竹之内 脩 大阪国際大学, 経営情報学部, 教授 (20029375)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 憲 大阪府立大学, 総合科学部, 助教授 (10221988)
安藤 洋美 桃山学院大学, 経済学部, 教授 (50067831)
小松 彦三郎 東京理科大学, 理学部, 教授 (40011473)
飛田 武幸 名城大学, 理工学部, 教授 (90022508)
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Keywords | 数学史 / 和算 / 関孝和 / 建部賢弘 / 大成算経 / 確率論 |
Research Abstract |
本研究においては、次の諸点についての研究を行った。 まず、日本における数学の偉大な先駆者関孝和の業績を正当に評価することである。関には全集があるが、それは必ずしも正鵠を得たものとは言い難い。「大成算経」こそが、関の研究の眞の姿であろう、という観点から、大成算経の研究に取り組んだ。大成算経には、異本がいくつもあり、誤字を含んでいるので、正しい本を作るのを一つの目標とした。同時に、今まで知られていなかった内容も、発掘できた。行列式に関することなどがその一つである。この作業は、今後もずっと継続していく。関とともに建部賢弘の業績も、もっと明確なイメージを求めたいと考えて、研究を行った。 行列式については、関と同時代の田中由真も注目すべき研究を行っていることを報告した。 明治初期、日本に近代数学が持ち込まれたとき、どのような教育がなされたのか。これは、今日、日本が数学において赫々たる成果を挙げていることを考えるとき、その初期の成功を思わざるを得ない。数学教育において著名なJ.Perryが明治10年代に、東京大学の前身たる工部大学校において教鞭をとっていたこと、また幕末に作られた軍事教習所のあとをうけた海軍練習所が大きな役割を果たしたことなどが、明らかにされた。 日本は、伊藤清をはじめとする確率論の研究において著名であるが、その確率過程の研究の起こりが何時、どのようなものであったかは、まだ十分解明されているとはいえない。19世紀末から20世紀はじめにかけてのイタリア、フランスの碩学の業績の跡を追ったのも、われわれの成果の一つである。
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[Publications] 竹之内脩: "田中由真の終結式について"和算研究所紀要. 2. 3-18 (1999)
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[Publications] 竹之内脩: "和算における行列式について"大阪国際大学紀要 国際研究論叢. 13. 33-50 (1999)
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[Publications] 竹之内脩: "Some Characteristic Features of Wasan"Bulletin for Mathematics Education Study. Special. 19-26 (2000)
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[Publications] 小松彦三郎: "『大成算経』の位置"Science University of Tokyo科学教養雑誌. 56-59 (2000)
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[Publications] 安藤洋美: "明治教学史の基礎工事"桃山学院大学人間科学. 19. 1-89 (2000)
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[Publications] 飛田武幸: "Complexity in White Noise Analysis"Quantum Information. II. 61-70 (2000)
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[Publications] Wasan Institute: "JINKOKI"Tokyo Shoseki Printing Co,Ltd. 211 (2000)
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[Publications] 竹之内脩: "海島算経"42 (2001)