1999 Fiscal Year Annual Research Report
高波数分解能を目指した遠赤外線冷却フーリエ分光観測装置の開発
Project/Area Number |
11640233
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川田 光伸 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 講師 (50280558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 浩 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 教授 (40135299)
佐藤 紳司 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60192598)
芝井 広 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70154234)
金田 英宏 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 助手 (30301724)
中川 貴雄 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 教授 (20202210)
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Keywords | 遠赤外線 / 分光観測 / フーリエ分光器 |
Research Abstract |
本年度の研究では、遠赤外線フーリエ分光観測装置の要素技術の内、可動鏡駆動部の駆動精度及び耐機械環境性に注力して研究を行った。駆動精度の改善においては、まず駆動パターンを受動的に制御する方法を取り入れた。可動鏡の駆動は永久磁石中のボイスコイルに電流を流すことによって行われる。理想的には変移量は流した電流の大きさに比例するが、磁場の非一様性や機械的なストレスの非均一性などから必ずしも電流に比例した変移量を示さない。一方検出器の特性などから、可動鏡の変移速度が一定であることが望まれる。そこで、各電流値に対する変移量をあらかじめ測定し、そのデータから変移速度が一定となる用に駆動電流パターンを決め、16bitsDACを制御することで一定の変移速度が得られるようにした。この結果変移速度の一定性は最大振幅で5%以内という結果が得られ、検出器系からの要請を十分満足するものが得られた。また、繰り返し再現性についても、時間的には不十分ながら安定した動作が得られることがわかった。将来的に変移量の拡大、安定性の追求を行うためには、能動的な制御が必要になると思われるが、今後検討を行いたい。耐機械環境性に関しては、駆動部をロックする機構を組み込むことによって耐性を高める方法を検討している。実際に、ロック機構を組み込んだモデルについて振動試験を行ったが、ロック強度の不足、ロック位置の不適切などにより、振動試験に耐えることができなかった。この試験結果をもとに、現在改良型のモデルを設計製作している。
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