2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640325
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Research Institution | IWAKI MEISEI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高重 正明 いわき明星大学, 理工学部, 教授 (70114527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱崎 真一 いわき明星大学, 理工学部, 助手 (20306096)
清水 文直 いわき明星大学, 理工学部, 講師 (20206212)
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / AFM / 非晶質 / 強誘電体 / 分域 / チタン酸バリウム / チタン酸ビスマス / ロッシェル塩 |
Research Abstract |
本年度は昨年のチタン酸バリウム(BaTiO_3),3酸化タングステン(WO_3),非晶質チタン酸鉛(PbTiO_3)に加えて,ロッシェル塩(NaKC_4H_4O_64H_2O),超急冷法により作成した非晶質チタン酸ビスマス(Bi_4Ti_3O_<12>)試料の表面を,原子間力顕微鏡を用いて観察した. BaTiO_3では130℃以上から約0℃までの温度依存性測定を一層深化させた.まず120℃付近の立方晶-正方晶系の相転移点(キュリー点)では繰り返し加熱冷却を繰り返すことにより,90度分域の生成消滅の過程を観察して,表面の傾斜角から格子定数の比を見積もり,回折学的手法で得られているデータとの比較がなされ,よい一致をみた.さらに,約5℃に存在する正方-斜方晶系の相転移に伴う分域境界の変化の観察にも成功した.やはり冷却加熱を繰り返すことにより90度分域の生成消滅の過程を観察したが,この場合には一旦冷却して加熱しても90度分域が再現しないことが見出された.すなわち簡易な単分域形成法の可能性が見出された. ロッシェル塩でも同様な温度依存性の観察が行われた.この場合は24℃付近の斜方晶-単斜晶相転移に注目して,単斜晶分域の形成をみたが,明確な温度依存性が初めて測定された.ただし定量的な測定は試料の示す顕著な潮解性のために困難であった,この点に関してまだ今後の研究が必要である. また引き続きWO_3では17℃をはさんでの三斜晶系の分域による表面形状の変化を観察し,この場合に三斜角の温度依存性の様子を定量的に得ることができ,相転移の1次性が明確にされた. セラミック試料の表面のAFM観察として、チタン酸鉛(PbTiO_3)とチタン酸ビスマス(Bi_4Ti_3O_<12>)セラミックスのグレイン表面を観察した。試料はいずれも超急冷法による非晶質試料を再加熱することで作成した. 非晶質PbTiO_3,Bi_4Ti_3O_<12>では結晶化過程温度に至るまでのいくつかの温度で熱処理を実施して,その表面変化をみたが,幾何学的な形状のみならず固さ分布の可視化にも成功した.両者ともに普遍的な傾向が確認された.特に後者では,前年明らかになっていた2段階の結晶化の様子を,X線やラマン散乱の実験も行って詳細に調べ,その結果,結晶化の過程においてBi_2Ti_2O_7という中間相が現れることを確定した.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Takashige 他6名: "Observation of Crystallization Process from Amorphous Bi_4Ti_3O_<12> Prepared by Rapid Quenching Method"Japanese Journal of Applied Physics. 39. 5716-5718 (2000)
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[Publications] M.Takashige 他3名: "Temperature Dependent Surface Images of Barium Titanate and Rochelle Salt Observed by Atomic Force Microscopy"Ferroelctrics. 240. 93-100 (2000)
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[Publications] S.I.Hamazaki 他3名: "Temperature Dependent Surface Images of Several Ferroic Crystals Observed by Scanning Probe Microscopy"Ferroelectrics. (掲載決定済み). (2001)
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[Publications] M.Takashige 他5名: "Study of Crystallization from Amorphous State of Ferroelectric Oxides by Scanning Probe Microscopy"Ferroelectrics. (掲載決定済み). (2001)