2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640401
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
木村 正廣 高知工科大学, 工学部, 教授 (40028238)
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Keywords | 微小光共振器 / 微粒子 / イオントラップ / レーザー発振 / Mie散乱 / MDR |
Research Abstract |
液体微粒子は霧・インクジェット・車のガソリン噴射などで身近に見られる物体である。本研究では、大きさが波長の10倍程度の液滴を微小光共振器とみなしてその基本特性を研究した。液滴に閉じ込められた光は原子に束縛された電子に対応させて考えることもでき、photonic atomとしての興味もある。 実験では、帯電した単一液滴をイオントラップ中に孤立させた状態で捕捉し、それからの発光を分光器と顕微鏡で調べるという手法をとった。このような液滴の形状はほとんど真球になるため、特定のモードの光は非常に高い効率で閉じ込められ、共振器のQ値は極めて高い。そのため液滴に色素をドープしたときのレーザー発振のしきい値も非常に低くなる。 レーザー発振の特性を調べるために、以下の測定を行った: 1)ポンプ光強度依存性 2)偏光依存性:ポンプ光と発光の偏光には強い相関があり、共鳴線のモードに応じて偏光特性が異なることが分かった。 3)色素濃度依存性:レーザー波長は、濃度が増すと共に色素自身による吸収の少ない長波長側にシフトする傾向が見られた。 ポンプ光強度が弱いときは液滴全体が蛍光を発するが、ポンプ光強度を上げていくとレーザー作用を起こして表面付近からの発光が強くなり、そのスペクトルがシャープな線構造をとるようになる。これらのレーザー線の周波数はMie理論の共鳴位置と一致する。本研究では偏光特性の測定が共鳴線のモード決定に非常に役立つことを示した。
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[Publications] M.Tona, M.Kimura: "Optical spectroscopy and microscopy of a single dye-doped microdroplet levitated in an ion trap"Mat.Res.Soc.Symp.Proc.. 637・E. E5.20.1-E5.20.6 (2001)
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[Publications] M.Tona, M.Kimura: "Polarization Effects Both in Emission Spectra and in Microscopic Images of Lasing Microdroplets Levitated in an Ion Trap"J.Phys.Soc.Jpn.. 71・2. 425-428 (2002)