2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11640543
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
真崎 康博 北里大学, 理学部, 助教授 (60199677)
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Keywords | アレン誘導体 / 分極 / カルベノイド / 結晶 |
Research Abstract |
1-(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)-1-フェニル-3-(4-ニトロフェニル)-3-フェニルアレンと1-(4-カルボメトキシ)-1-フェニル-3-(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)-3-フェニルアレンの二種のいわゆるpush-pull型アレン誘導体を新規に合成した。また、比較対照化合物として、1-(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)-1,3,3-トリフェニルアレン、1-(4-ニトロフェニル)-1,3,3-トリフェニルアレン、1-(4-カルボメトキシフェニル)-1,3,3-トリフェニルアレンを新規に合成した。これらをあわせて、置換基によるπ電子のpush-pull効果がアレン部に及ぼす影響を、電子スペクトル、NMRスペクトル等を用いて比較検討した結果、push-pull効果によって期待されたアレン中央部がカルベン型となる共鳴構造の寄与は小さいと結論された。期待に反して、pushu-pull型アレン類はなかなか結晶化しなかった。フィルム状の固体を与えたり、溶媒を含んだゲル状の物質を与えたりして結晶性が悪かった。 以上のことから、これらの問題を解決するには、1)push-pull分極の効果をより強くするために、安定性を考慮した上で、分極性置換基を直接アレンに置換させなくてはならない。2)結晶性を高めるため、比較的強い分子間力を発揮しうる置換基の導入が必要である、等の指針が得られた。
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