2000 Fiscal Year Annual Research Report
多機能超音波顕微鏡システムによる物質・材料の非破壊評価に関する研究
Project/Area Number |
11650413
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三野宮 利男 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40222418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫛引 淳一 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50108578)
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Keywords | 画像計測 / 定量計測 / LFB超音波デバイス / 方向性PFB超音波デバイス / V(z)曲線法 / Mn-Znフェライト単結晶 / 多結晶材料 / 弾性的異方性 |
Research Abstract |
本研究は、画像計測用の点集束ビーム(PFB)、定量計測用の直線集束ビーム(LFB)、及び両機能を兼ね備えた方向性PFB超音波顕微鏡の3システム機能を統合した多機能型超音波顕微鏡システムの開発と、科学・産業分野における実用的材料評価法の確立を目指すものである。平成12年度の研究成果を要約すると、以下の通りである。 1.測定温度環境の安定化とシステムの特性評価:(1)機械操作部に恒温チャンバを導入し、測定温度環境の安定化を計り、システムの特性評価を行った。(2)複素信号による画像計測と定量計測法について検討を行うため、振幅と位相の同時計測が可能なシステムへの改良を行った。 2.異方性単結晶材料への適用:(1)表面に亀裂を導入したシリコン単結晶基板について方向性PFB超音波デバイスによる画像計測とV(z)曲線法によるLSAW速度の伝搬方向依存性の測定を行い、LFB超音波デバイスによる異方性測定結果と比較したところ、方向性PFBデバイスの場合LSAW速度の大きい材料に対しては通常の振幅型FFT解析法による異方性測定の感度が低下することがわかった。(2)Mn-Znフェライト単結晶の(100)、(110)、(111)面をとりあげて、LFBデバイスと方向性PFBデバイスによるLSAW速度の異方性測定を行い、両デバイスの特性の違いについて検討を行った。 3.多結晶材料への適用:局所的な異方性をもつ材料として、平均粒径が約100μmの多結晶Mn-Znフェライト及び多結晶チタンをとりあげて方向性PFBデバイスによる画像計測と個々の粒子に対するLSAWの伝搬方向依存性の測定を行い、微小領域の弾性的異方性が定量的に評価できることがわかった。 4.本システムの適用法に対する総合的検討を行い、本システムの有用性を明らかにした。
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