2000 Fiscal Year Annual Research Report
進行性劣化を考慮したコンクリート橋の耐震信頼性評価・診断法に関する研究
Project/Area Number |
11650466
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Research Institution | KOBE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
森川 英典 神戸大学, 工学部, 助教授 (70220043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 晋 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (30168447)
宮本 文穂 山口大学, 工学部, 教授 (10093535)
宮川 豊章 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80093318)
HASSANI NEMAT 神戸大学, 工学部, 助手 (70304128)
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Keywords | 劣化 / コンクリート / 耐震信頼性 / 診断 / 性能低下 / 地震応答解析 / 耐荷性能 / 耐久性能 |
Research Abstract |
(1)RC部材の塩害、中性化に着目し、その劣化状態を点検結果および劣化予測を基に、定量的な評点によって表現する手法について検討を行った。これに基づいてコンクリート構造物の点検時およびそれ以降に予測される劣化状態を合理的に耐荷性能評価に関連づけ、また耐荷性能に関する耐久性能についても評価できる手法の構築を試みた。(森川) (2)RC部材において、コンクリート強度のばらつきやコールドジョイントを考慮したせん断耐荷性能について実験的に評価を行い、コンクリート強度分布を考慮したせん断耐力評価式の提案を行った。さらに、弾塑性有限要素法解析を実施し、強度分布を考慮したせん断耐荷性能の評価手法の検討を行った。(森川) (3)RC単柱橋脚を有する橋梁構造系において、多質点モデルによる地震応答解析を行い、部材間の損傷連関を評価した。この際、損傷連関を支配している支承のモデルについては、実被害データに基づいて部材間の強度関係および損傷の関連性を整理して構築した。(森川) (4)コンクリート構造物に要求される性能について整理し、劣化と性能低下との関係を検討した。また、これに基づく構造物のシナリオ構築、維持管理計画の考え方について検討した。(宮川) (5)RC道路高架橋における地震動の作用による各部位部材損傷の相互影響を考慮した状態遷移確率行列に基づく損傷状態確率の評価について、一連のフローとして構成することにより、系統だった評価システムの構築を行った。(宮本) (6)ASR膨張による損傷を受けたRCはりのせん断耐荷機構に関する実験・解析的研究を行い、正負交番繰返し荷重下でのせん断耐力低下に及ぼす影響について評価した。(井上) (7)個別要素法(DEM)に基づいて、RC橋脚の地震時崩壊シミュレーションを行い、多方向地震動の影響、材料劣化の影響、初期欠陥の影響について評価を行った。(Hassani)
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[Publications] 森川英典: "劣化機構を考慮した既存コンクリート部材における性能低下の評価と評点法化手法"建設工学研究所論文報告集. 42-A. 77-96 (2000)
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[Publications] 森川英典: "コンクリート強度分布および打重ね条件を考慮したRC部材のせん断耐荷性能"建設工学研究所論文報告集. 42-A. 97-111 (2000)
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[Publications] 宮川豊章: "新しい示方書-仕様規定から性能照査へ-維持管理"土木学会誌. 85・4. 32-34 (2000)
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[Publications] 宮川豊章: "21世紀をささえるコンクリートの耐久性"土木技術. 55・11. 41-47 (2000)
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[Publications] HASSANI NEMAT: "Influence of multi-directivity of ground motion and structural defects on the failure of RC single column bridge piers during earthquake"Proc.of the 2nd Japan-Iran Workshop on Earthquake Engineering and Disaster Mitigation, Kobe. 145-150 (2000)
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[Publications] 宮本文穂: "橋梁全体系の地震時損傷評価のシステム化"材料. 50・1. 32-39 (2001)