1999 Fiscal Year Annual Research Report
画像処理流速計を使った水面付近の吹送流の鉛直構造に関する研究
Project/Area Number |
11650521
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
加藤 始 茨城大学, 工学部, 教授 (40152730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
信岡 尚道 茨城大学, 工学部, 助手 (00250986)
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Keywords | 吹送流の鉛直分布 / 画像流速計 / PTV / 風洞水槽 / 風波の軌道流速 / 流れ関数法 |
Research Abstract |
本研究は,風洞水路で波の谷の高さより上を主とした水面付近の吹送流の鉛直分布を画像流速計(PTV)を用いて測定しようとするものである.本年度は第一段階の測定方法の確立に主眼をおいた.主要な成果は以下の通りである. (1)ストロボで上から水路中央部にシート状の照明をあて、水路側面からCCDカメラで微細粒子(直径15〜35μ)の動き(画像)をパソコンに撮り込み,科研費で購入した市販のPTV解析ソフトで画像流速計としての測定を行った.この際,測定点と波の位相との関係が必要であるため、2台目の(やや広いアングルの)CCDカメラと波高計も同時に使用して波長と測定点の位相も測定出来るようにした.このようにして,風波のトラフレベルより上を含む水面近傍における流速を波の位相毎に測定する方法をほぼ確立した.ただし、波の山の位相では水面から5mm位の高さで粒子の分布密度が不足している点と,上からの照明で水面付近が光って測定がしにくい点等,まだ改良が必要である。またこれとは異なるカメラの配置を用いて,瞬間的な表面流速性u_0もPTVにより波の位相毎に測定出来るようにした. (2)加藤他(1999)が用いた流れ関数法により軌道流速のpotential部分u_Pを計算し,これを波の軌道速度の主要な部分と見なして,測定した位相毎の流速からu_Pの値を引いたものを吹送流の水平方向成分とする鉛直分布を求めた.これらの結果から,水面直下の吹送流の鉛直分布は、波の位相に依存してかなり変化することが分かった. (4)この鉛直分布を水表面からの水深で表し,一周期平均したものを,加藤(1975)の提案している対数分布の式に適用したところ良い一致を示し,重要なパラメターz_0はおおよそ0.035cmとなった.ただし波の山の位相では水面近くの測定点の数が少ないので,さらに測定データの改良が必要である。
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