2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650537
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
尾島 勝 福山大学, 工学部, 教授 (10035628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田辺 和康 福山大学, 工学部, 講師 (30150816)
松浦 史登 福山大学, 工学部, 教授 (10088445)
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Keywords | 水質浄化 / 礫間接触酸化法 / 原位置実験 / BOD / T-N / T-P / 付着藻類 / 堆積汚泥 |
Research Abstract |
本研究は、BOD、T-N、T-Pなどの濃度が環境基準値を大きく超えた強汚濁河川と判定される高屋川を対象河川とし、河道内に建設された導水流下式の大型実験開水路(60^m×1^m×1^m)3本を用い、礫間接触酸化方式による水質浄化効果を定量的に考察評価したものである。1)各種水質項目について河川原水濃度に対し、各接触酸化水路における空間的、経時的浄化効果を除去率として定量評価した。2)接触材付着生物および動物プランクトンの種と個体数を計量し、水質浄化に及ぼす生物化学的評価を試みた。3)接触水路内の堆積汚泥量の場所的分析を定量的に分析し、強熱減量、酸素消費速度を計測して水質浄化効果との関連を評価した。礫間接触酸化法は、微生物活性(酸化作用)に期待する水質浄化法であるから、水温、降水量、DO(溶存酸素量)、SS(濁度)の関係について分析した。BOD、D-BOD、CODについては有機物特性を考察した。付着藻類についてはPantle・Buck法に基づき水質判定を行った。その結果、以下のような知見を得た。1)季節的な水質浄化効果(除去率)について、有機物汚濁指標(BOD)と栄養塩類指標(T-N)については冬期に低下する傾向がある。すなわち水温との相関関係は高い。T-Pについては季節的な関係はほとんどなく負荷量が高くなるにつれ浄化効果も高くなる。2)付着藻類について、各接触材ブロックの出現種数、個体数、密度ともに珪藻類の占める割合が高く、中でもNitzdschia属、Achnantes属の珪藻綱が優占している。3)Pantle・Buck法による指標種の珪藻による水質汚濁評価の結果はβ-中腐水性であった。4)付着藻類の密度は、いずれも通水時間経過とともに増加する傾向を示した。このことは微生物の増殖、すなわち水質浄化効果が高なることになる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 津田将行,尾島勝: "礫間接触酸化水路の付着藻類および堆積汚泥と水質浄化効果の評価"平成11年度土木学会中国支部年次学術講演会発表概要集. II-21. 163-164 (1999)
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[Publications] 津田将行,尾島勝: "礫間接触酸化水路の付着藻類による水質浄化効果の評価"応用生態工学研究会第3回研究発表会講演集. 2-1. 19-21 (1999)
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[Publications] 津田将行,尾島勝,田辺和康: "高屋川の水質浄化実験とその効果について"平成12年度土木学会中国支部年次講演会発表概要集. 251-252 (2000)
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[Publications] 津田将行,尾島勝,田辺和康: "高屋川の水質浄化実験とその効果について"土木学会第55回年次講演会講演概要集. II-284. 568-569 (2000)
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[Publications] 津田将行,尾島勝: "高屋川の水質浄化実験とその効果について"日本産業科学研究所研究報告. 第10号. 31-38 (2000)