1999 Fiscal Year Annual Research Report
電気泳動成形法による環境浄化用機能性セラミックス微粉末固定化モジュールの作製
Project/Area Number |
11650707
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
林 滋生 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (20218572)
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Keywords | 電気泳動法 / 環境浄化 / ゼオライト / セラミックス / 粉末 / 成形 / 接合 / 厚膜 |
Research Abstract |
イオン交換能や吸着能を有するセラミックス微粉末を多数の貫通孔を有する形態に成形することで,環境中に投入するだけで迅速に有害物質を吸着・回収することができる「環境浄化モジュール」を作製することを目標として,ゼオライト微粉末の電気泳動成形ならびに固定化について検討した。耐熱性を検討した結果,800℃の加熱でも結晶構造を保った3A型合成ゼオライトを実験に用いることにした。ゼオライト粉末を遊星回転ボールミルで平均粒径0.6μmに微粉砕したところ,エタノールを分散媒としてステンレス鋼線(SUS304,1.0mmΦ)上に電気泳動法により堆積可能なことがわかった。堆積量は3.3V/cm,3minの条件で0.3mg/cmに及んだが,それ以上の高電圧,長時間では剥離が生じた。これをAr雰囲気中700℃1h焼成したところ,ゼオライト堆積層表面に焼成収縮に伴うと見られる亀裂が生じた。また,ゼオライト粉末層とステンレス線との接合強度向上のために,並質ケイ酸塩ガラスを平均粒径1.0μmに微粉砕し,電気泳動法を用いてステンレス線上にガラス層/ゼオライト層の二重構造を構築することができた。これを700℃1h焼成したところ,ガラス層を堆積させないものと比較して亀裂が大きくなることがわかった。これは,加熱によってガラス層の焼結収縮が起こるため,ゼオライト粉末の移動が促進されたためと推察される。以上のように作製した試料におけるゼオライト粉末の接合強度を検討するため,石英砂を分散させた攪拌水中におけるゼオライトの剥離試験を行ったところ,未焼成>ガラス無し・焼成>ガラス有り・焼成の順に剥離量が減少しており,焼成ならびにガラス粉末接合材の利用がゼオライト粉末の固定に有効であることが示された。今後は,ゼオライト粉末の粉砕及びに熱処理が吸着特性に及ぼす影響を検討し,総合的にモジュールとしての性能を評価する予定である。
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