1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650783
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
北村 光孝 広島大学, 工学部, 助教授 (60127644)
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Keywords | 結晶多形 / 結晶成長 / 結晶核発生 / 転移現象 / 構造制御 / アミノ酸 |
Research Abstract |
結晶多形制御は食品、医薬品などのファインケミカル工業において特に重要な問題となっている。多形結晶の析出過程では種々の添加物や溶媒の影響を受けるが、同時にモルフォロジー変化を伴うことが多い。そこで、本研究では、添加物や溶媒の結晶多形制御への応用技術を確立することを目的とする。このため、添加物分子の分子構造などを系統的に変化させることにより分子間相互作用に着目した検討を行う。この観点から、これまで、多形を有する物質としてL-グルタミン酸を用い、添加物としての他のアミノ酸存在下での晶析を行ってきた。これまでの検討の結果,これら他のアミノ酸は、L-グルタミン酸の成長速度を変化させるのみならず、モルフォロジーを変化させることが明らかになってきた。成長速度への影響の程度はアミノ酸の分子構造に依存して異なる。また、モルフォロジー変化は単純ではなく、操作条件によって変化することも明らかになった。これらの挙動のほかに、これらの添加物分子が結晶中に取り込まれるかどうかの問題についても検討を始めている。混入量は添加物分子の構造により異なることが考えられ,これらの相関性を明らかにすることは混入メカニズムを解明する上で重要な意味を持つものと思われる。本研究ではL-グルタミン酸への添加物の影響のほかに、チアゾール誘導体を用いてこれらの結晶多形の析出挙動に関する検討も行っている。これまでの検討により、溶媒の効果が各多形の溶解度を変化させるとともに、析出挙動をも変化させることが明らかになってきた。
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