1999 Fiscal Year Annual Research Report
規則的な細孔構造をもつメソポーラスカーボンの鋳型合成
Project/Area Number |
11650791
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
京谷 隆 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (90153238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 彰 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (80006311)
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Keywords | 多孔質炭素 / 界面活性剤 / ミセル / メソポーラスカーボン / 鋳型炭素化 |
Research Abstract |
MCM-41に代表されるメソポーラスシリカは規則的なヘキサゴナル型細孔構造をしており、極めて均一な細孔をもっている。また、鋳型となるミセルの大きさを変化させることで細孔径を厳密に制御できる。カーボンも魅力ある材料であるが、MCM-41のような規則的な細孔構造をもつ多孔質カーボンはいまだかつて合成されたことはない。カーボンは材料として高い性能をもっており、MCM-41と同様な細孔構造をもつメソポーラスカーボンが合成できれば触媒、吸着、ガス分離、電気化学などさまざまな分野で画期的な材料になることは間違いがない。そこで、本研究では界面活性剤の棒状ミセルを鋳型とすることで規則的で均一な細孔をもつメソポーラスカーボンの合成を目指した。 塩酸の存在下で陽イオン界面活性剤(セチルトリメチルアンモニウム塩)とフルフリルアルコールを水溶液中で混合し、フルフリルアルコールを徐々に重合させた。この際の各成分の濃度、添加方法などを変化させた複合体を合成した。これらの複合体を不活性気体中で800℃で加熱することで炭素化した。その後、既存の自動吸着装置にて生成した炭素のN_2吸着等温線を測定した。その結果、界面活性剤の添加の有無にかかわらず、炭素の表面積は低く、細孔構造が発達していないことが明らかとなった。また、X線回折装置にて炭素の構造を調べたが、規則的なミセル構造を反映した回折ピークは見られなかった。今後は炭素化の前のポリマーの段階でのミセル構造の有無を調べる必要があると思われる。
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