2000 Fiscal Year Annual Research Report
動的陽解法による流体・構造連成問題シミュレーションに関する研究
Project/Area Number |
11650948
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
安澤 幸隆 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (10191123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 和隆 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (10274507)
前田 正広 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (70173713)
香川 洸二 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (00253500)
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Keywords | 動的陽解法 / パラレルコンピューティング / 流力弾性 / 共役勾配法 / クラスタシステム |
Research Abstract |
平成11年度は、骨組構造に関して動的陽解法による有限要素法を適用し、調査したのに対して本年度は、板・シェル構造物の弾塑性解析のための数値解析コードを、動的陽解法による有限要素法を適用して開発した。超大変形の弾塑性挙動に対しても、この数値計算により精度良くシミュレーションすることができることがわかった。 動的陽解法は、各時間ステップにおいては各節点の自由度ごとに独立な方程式を解く。従って大きなマトリックス方程式を解く必要が無く、並列化計算に適している。しかし、前ステップで各有限要素毎の応力が周辺の節点の速度ベクトルから計算される。このときに節点間で情報のやりとりが行われる。従って荷重が加わると応力や変形が伝播する形で解かれていくので時間増分が小さくなければならない。従って動的陽解法は、時間増分をある値以下にすると確実に発散する性質があり、かなり小さな時間増分で計算する必要がある。この原因は、弾性波の伝播速度と関係がある上、時間増分ごとに荷重を階段状に与えるために、時間増分ごとにステップ荷重を与えることになり振動が発生することが計算を発散させる1要因になっていることがわかった。 そこで、複数のPCをネットワークで連結して並列計算を行うクラスタシステムを構築し、並列計算のためのアルゴリズムに関する研究を行い、線形弾性構造物に対しては、領域を分割してその領域間の力学的および運動学的適合を満たすように反復計算を行う領域分割法に共役勾配法を応用した「領域分割型共役勾配法」を適用して検討した。その結果、メモリおよび計算時間の面でかなり有効であることがわかった。 その結果を踏まえて、大規模流力弾性問題の1例として、大規模柔軟浮体構造物の波浪による流力弾性挙動の解析にこの領域分割型共役勾配法を適用する定式化を行い、そのアルゴリズムを開発した。以上の研究結果により、動的陽解法の特性、領域分割型共役勾配法の有効性が明らかになるとともに構造流体連成問題への適用の発展が期待できる。
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Research Products
(1 results)