1999 Fiscal Year Annual Research Report
鉄鋼スラグの高活性マクロモレキュル粘土素材化に関する研究
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11650963
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山崎 淳司 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70200649)
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Keywords | 鉄鋼スラグ / アロフェン / イモゴライト / マクロモレキュル粘土鉱物 / 水熱合成 / 重金属イオン置換 / 熱分析 |
Research Abstract |
鉄鋼製錬の際に副次産物として大量に発生する鉄鋼スラグの新規素材への転換を目的として、単純工程で高収率にアロフェンーイモゴライト系の高機能性マクロモレキュル含水珪酸塩を合成するプロセスを探索している。本年度は目的とするマクロモレキュル珪酸塩物質の調製条件と重金属イオンのドープ条件の検討を行った。実験として従来報告されている水熱合成方法を市販試薬(シリカゲル、他)により検討した結果、スラグから出発物質を調製するに当たっては、阻害因子となるカルシウムを完全に除去し、アルミノオルトシリカゲルにすることが必要なことがわかった。そこで、高炉水砕スラグを室温にて濃塩酸処理することにより高純度のシリカゲルを調製し、これを水酸化ナトリウム溶液および硝酸アルミニウム溶液と反応させ、さらにアンモニアを滴下することで適当な出発物質となるアルミノオルトシリカゲルが得られた。この出発物質の調製には、従来法と併行して摩砕(ボールミル及び振動ミル)法や、マイクロ波水熱処理装置を用いた熱処理方法も試み、調製条件(化学組成、反応性、収率など)を検討した。この出発物質を開放系で水熱熱処理することにより、一連のSi/Al比を有するアロフェンーイモゴライトが合成された。さらに、得られた各合成試料にCu,Ni,Ag,Znの重金属イオンをイオン交換法とマイクロ波水熱処理により試みている。 これらの各マクロモレキュル珪酸塩試料について、今回整備された低温DSC(示差走査熱量計)により、室温から-150℃までの温度領域の相変化挙動を調べたところ、試料のSi/Al比、構造(アロフェン型かイモゴライト型か)、導入された重金属イオンの種類と量に依存する変化が認められた。このことは、本試料調製法により得られるマクロモレキュル珪酸塩の分子吸着特性が制御できる可能性を示唆している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Uehara: "Intercalation of Nickel Hydroxide into Large Crystal of Vermiculite"Chemistry Letters. 1999・9. 971-972 (1999)
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[Publications] M.Uehara: "A Nickel Hydroxide-Vermiculite Complex:Preparation and Characterization"Clays and Clay Minerals. 47・6. 726-731 (1999)