1999 Fiscal Year Annual Research Report
地域用水管理のためのパートナーシップ形成の可能性に関する研究
Project/Area Number |
11660216
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹谷 裕之 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (10023491)
|
Keywords | 農業用水管理 / パートナーシップ / NPO / 環境保全 / ネットワーク型管理 |
Research Abstract |
本研究は、社会システムの中に埋め込むべき多面的機能を発現する農業用水の新たな維持管理方式の構築にむけ、「パートナー・シップの形成」をキイ・ワードに、(1)従来の方式では立ちゆかない用水管理の現状分析、(2)パートナー・シップによる問題解決の可能性、(3)パートナーシップの形態と運営方法、(4)新組織の自立性・持続性の確保を検討することを課題としている。 本年度は、環境改善を標的に活動を広げる各地のグラウンドワーク組織の活動に焦点を当て、資料収集と現地での事業担当者の聞き取り調査を行った。 グラウンドワーク福岡では、宮田町如来田地区の里山づくりと資源管理の関連、宮田町笠松小学校での地域と環境教育の取り組みについて調査を進めた。滋賀県甲良町では、グラウンドワークトラスト設立準備委員会に至るプロセスと活動内容、並びに集落レベルで進められている用水を生活や遊びの中に活かす取り組みの成果と住民の関心の持ち方について活動のリーダー層に対し調査を行った。愛知県の朝倉川育水フォーラムについて、特に特定非営利活動団体として認証を得ていく過程と要件並びに今後の方向性を中心に調査を行った。帯広市に拠点を置き十勝全域を対象に活動する十勝型グラウンドワークトラスト研究会については、専門技能を備えた人材のネットワーク形成の経過と活動組織化の実態について調査を進めた。 解析の結果、農業用水など水や土地といった地域資源管理に関わり、環境の回復・保全・創造の視点も入れ、新たな取り組みを進めるグラウンドワークの調査は、従来の枠組みを根本的に変え新たな管理主体を示唆する点で、本研究課題の解明上、欠かすことのできない存在であることが明瞭となってきている。
|