2000 Fiscal Year Annual Research Report
持続型農業を目指した高精度車輪-土相互作用予測システム
Project/Area Number |
11660253
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
広間 達夫 岩手大学, 農学部, 助教授 (50003794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 崇 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (40231253)
太田 義信 岩手大学, 農学部, 教授 (60003787)
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Keywords | 持続型農業 / 有限要素法 / 3次元解析 / 土壌圧縮 / 土中応力 / 車輪幅 / けん引性能 / 土・車輪相互作用 |
Research Abstract |
本研究は,持続型農業を目指して,土壌踏圧現象を低減し,エネルギー効率の高い車輪を検討するために,トラクタ等農業機械の車輪と土の相互作用を高精度に解析する3次元有限要素解析プログラムの開発を行い,計算された車輪の走行性能や土の応力・ひずみ分布をもとに車輪-土相互作用予測のニューラルネットワークシステムの構築を行ったものである。この目的のために,(1)車輪の接地部の付着力及び摩擦力を考慮した3次元解析有限要素解析プログラムの開発,(2)3次元解析された土中応力などの3次元表示方法の確立,(3)車輪幅と走行性能の関係の解明,(4)ニューラルネットワークシステムを用いた高精度車輪-土相互作用システムの開発を行った。 その結果,(1)土の変形状態の3次元表示にはワイヤフレームモデルが有効であり,土中の応力やひずみの表示には等値面表示が有効であること,また接地応力分布等を実験結果と比較する場合には2次元表示を用いる方が効果的であることを明らかにした。(2)ニューラルネットワークシステムを利用した車輪-土系の相互作用予測システムは,学習標本は3次元有限要素解析結果であるが,一度予測システムが構築されれば有限要素解析を行わなくても必要な条件の予測値が直ぐに得られること,有限要素法による解析だけでは良く分らなかった,車輪幅の増加率に対するけん引係数やけん引効率の増加率が高い車輪幅の範囲があることが判明した。(3)車輪幅が広くなると,接地法線応力が減少して土中の鉛直垂直応力も減少するばかりでなく,けん引力やけん引効率が増加すると共に,最大けん引力や最大けん引効率に達する進行低下率が減少することを明らかになった。したがって,車輪幅を広くすることは,けん引性能を向上させるばかりでなく,土壌に与える影響が少なくなるので,踏圧現象を低減するための一つの解決策として有効であると考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 広間達夫 他: "土中応力の3次元解析プログラムの開発"農業機械学会東北支部報. 46. 19-22 (1999)
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[Publications] 広間達夫 他: "車輪走行性能の3次元解析-3次元表示-"テラメカニックス. 20. 95-100 (2000)
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[Publications] 広間達夫 他: "有限要素法を用いた車輪走行性能の3次元解析"農業機械学会東北支部報. 47. 1-6 (2000)