1999 Fiscal Year Annual Research Report
牛小型ピロプラズマ症抵抗性の生理的指標の探索とその遺伝的改良の研究
Project/Area Number |
11660278
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山岸 敏宏 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (30005607)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 久 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (50178886)
太田 実 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (00005670)
|
Keywords | 肉用牛 / 放牧 / 小型ピロプラズマ症 / ヘマトクリット値 / 遺伝的パラメータ / リン脂質 / 脂肪酸組成 |
Research Abstract |
(1)放牧期間中の赤血球容積に関する遺伝的パラメータの推定 初放牧の日本短角種子牛約400頭のデータを用いて,遺伝的パラメータの推定を行った.放牧前のヘマトクリット値(Ht)と放牧期間中の最低Ht,および日増体量の遺伝率,遺伝相関をMTDFREMLを用いて推定した.母数効果として,性,農家,群,年次を取り上げた.血統は2代前までの情報を用いた.放牧前Htと最低Ht,および日増体量の遺伝率はそれぞれ0.61,0.16,0.67と推定された.それぞれの遺伝相関はいずれも正の値を示した.放牧前Htは他の2形質との間に表型相間がほとんど認められなかった.これら3形質を用いての,選抜による最低Htの改良は比較的容易であることが考えられたが,放牧前Htのみでの改良は困難であることが考えられた. (2)放牧期間中の血中リン脂質温度,組成およびその脂肪酸組成と貧血の程度の関係 初放牧の黒毛和種子牛14頭を用いて,放牧期間中の血液性状(赤血球数,Htなど)および血漿成分(尿素態窒素,総タンパク質,総コレステロール,総リン脂質,HDLコレステロールおよびリン脂質)の測定・分析を行った.放牧初期のHtが減少する時期には,Htとリン脂質およびHDLリン脂質の間の相関が高くなり,放牧期間中は各測定日で0.5程度の相関を示した.他の成分とHtの相関は各測定日間の変動が大きかった.リン脂質組成およびリン脂質の脂肪酸組成については現在,測定・分析中である.
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 深澤充,篠原久,山岸敏宏 他1名: "初放牧仔牛の平均赤血球容積の遺伝率の推定と日増体量との関係"東北畜産学会報. 48(2). 37 (1998)
-
[Publications] M.Fukasawa,M.Ohta,H.Shinohara,T.Yamagishi 他2名: "Effects of plasma components on anemia development in pasturing calves"Proc. 8^<th> WCAP Contributed Paper. Vol2. 412-413 (1998)
-
[Publications] 深沢充,篠原久,山岸敏宏 他2名: "放牧牛の貧血の進行と血清中試質代謝成分の推移"第95回日本畜産学会講演要旨集. 113 (1999)