1999 Fiscal Year Annual Research Report
進行性鼻壊疽(NK/NKTリンパ腫)本態の解明と治療への応用:リンパ腫細胞の培養とその解析
Project/Area Number |
11670207
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
清水 則夫 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (30226245)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 博史 千葉大学, 医学部, 講師 (20237530)
山本 興太郎 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (40000971)
|
Keywords | 進行性鼻壊疽 / リンパ腫 / γδ型Tリンパ球 / 診断 / 細胞培養 / NK細胞 |
Research Abstract |
進行性鼻壊疽の本態度を解明する目的で、患者病変部の生検組織からリンパ腫細胞を分離培養する試みを行い、以下の知見を得た。 1.合計6例の患者のリンパ腫細胞を解析したところ、NK細胞由来と考えられる症例が5例、NK likeγδT細胞由来と考えられる症例が1例だった(細胞種は、フローサイトメーター(FACS)による表面抗原解析とT細胞リセプター遺伝子の再構成の有無により評価した)。したがって、NK細胞由来の進行性鼻壊疽が多数を占めるがNK likeγδT細胞由来の進行性鼻壊疽も存在することが明らかとなった。また、EBVは全例陽性で、細胞種の違いによる臨床症状の違いはなかった。 2.進行性鼻壊疽は、進行の早い病気でありしかも壊死性の病変であることから確定診断に手間取る例が多く、その間に病気が急激に進展して鼻腔領域からの大出血により死亡する例も報告されている。これまでの研究から、進行性鼻壊疽はほぼ全例EBウィルス陽性のNKあるいはNK likeγδT細胞リンパ腫であることが明かとなている。したがって、生検から分離した腫瘍細胞をすぐにFACS解析して細胞種を決定し、またPCR法によりEBVの検索を行なうことにより進行性鼻壊疽か否かの判断を迅速につけることが可能となった。実際我々は上記方法により、生検を得たその日の内に診断をすることに成功し、その後の病理的評価と一致していた。進行性鼻壊疽は予後が非常に悪い疾患であると認識されているが、我々は進行性鼻壊疽と迅速に診断し早期に治療を開始すれば予後を改善できると考えており、今回開発した迅速診断法による治療の早期開始と予後改善の取り組みを来年度以降の課題としたい。
|