1999 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス感染細胞の運命決定因子としてのカルモジュリンの役割
Project/Area Number |
11670304
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
古賀 泰裕 東海大学, 医学部, 教授 (60170221)
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Keywords | HIV / gp160 / アポトーシス / カルモジュリン / カルモジュリンキナーゼ |
Research Abstract |
gp160/CaMによるアポトーシスのシグナル伝達経路の解明:HIV-gp160発現細胞株UE160を用いて、gp160/CaMがどのようなシグナル伝達経路を介して、DNA断片化に代表されるアポトーシスを細胞にもたらすのかを明らかにしつつある。この場合gp160結合により活性化されたCaMの次の標的分子としては、Dedicated CaM Kinaseと総称されるMLCK、Phos K、CaM KIII等の酵素、あるいはMultifunctional CaM Kinase IIと予想される。 前者についてはすでにその基質が明らかになっているが、文献の検索ではアポトーシス誘導の普遍的なeffector moleculeであるcaspaseに直接つながるものは見つかっていない。よって後者のCaM Kinase IIについて焦点を当てて解析し、この分子がgp160/CaMの直接の標的分子であるかを検証した。その結果1)UE160にgp160を発現誘導13分するとCa^<2+>非依存性CaMKIIがCdCl_2非添加時2±1.3%であったものが12±1.8%に上昇し、23分後では4±1.8%(±SE)になった。2)gp160c末端の5アミノ酸以上を欠失した変異株ではCa^<2+>非依存性CaMKIIが変化しなかった。3)UE160をCaMKIIの阻害剤100nM KN93で2時間前処理をするとCa^<2+>非依存性CaMKII上昇、核[Ca^<2+>]上昇、DNA断片化の3現象が阻止された。以上の結果は、Ca^<2+>非依存性CaMKIIの活性化(自己リン酸化)がアポトーシス誘導へのシグナル伝達系の要素であることを示唆しており、現在さらに検討を進めている。
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