1999 Fiscal Year Annual Research Report
赤血球遊離プロトポルフィリン値を主とする鉛暴露指標の性差に関する研究
Project/Area Number |
11670346
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大森 昭子 熊本大学, 医学部, 助手 (60040193)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 幸一 熊本大学, 医学部, 講師 (00094029)
|
Keywords | FEP / 鉛中毒 / 性差 / 性ホルモン / 貧血指標 / 動物実験 |
Research Abstract |
【動物実験】[方法]雄の日本白色家兎(体重3kg)8匹を去勢手術し、各2匹を4群[I群;対照、II群;Estradiol(以後Estと略す)投与、III群;鉛投与、IV群;Est+鉛投与]に分け、3週後にEst投与を開始(2-3mg/kg・BW、週1回×9回、筋注)、更に2週後に鉛投与開始(1.2mg/kg・BW、週1-2回×9回、静注)。去勢手術前、Est投与開始前、その後各週毎、合計9回、採血、採尿し、全血中のHt、Hb、ALA-D活性、PbB、血球中FEP、血漿中GOT、GPT、FeS等を測定指標とした。実験終了後、腹部大動脈より採血後、肝、骨髄を採取し、ALA-D活性、FEP、Ht、Hb値を測定した。[結果]Ht・Hb値は、Est投与後2週目よりII、IV群で低下[Ht平均値(%)I;37,II;31.8,III;35.5,IV24。Hb平均値(g/dl)I;12.8,II;11.2,III12,IV;8.5]、IV群はII群より低く、鉛の相乗作用が示唆された。尚、FeS値に異常はみられなかった。III、IV群に、鉛による著しいALA-D活性低下がみられ、FEP値も鉛による明らか上昇がみられたが、Estによる相乗効果はみられなかった。[6週目平均値(μg/dl・pcv)I;61.1、II;54.0、III;384.0、IV;291.2]。GOT、GPT値はIV群で上昇した。末梢血、骨髄、肝のALA-D活性を比較すると、III群のALA-D活性は各々の対照群の7、16、65%であり、II群では、108、133、121%であったが、IV群ではEstによる相乗効果はみられなかった。以上より、(1)Estによる貧血がみられたが、鉄欠乏症ではなく、FEP値は上昇しなかった、(2)骨髄・肝のALA-D活性はEst単独投与により上昇した、等の結果がでたが、詳細を考察する前に、更に例数を増やして実験を準備中である。【ヒトの調査】最適の調査対象を求めて準備・検討中である。
|