2000 Fiscal Year Annual Research Report
家族機能から見た不登校の予防と早期発見に関する研究
Project/Area Number |
11670366
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
荒木田 美香子 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (50303558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金森 雅夫 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (90127019)
松本 友子 浜松医科大学, 医学部, 教授 (40157376)
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Keywords | 不登校 / 中学生 / 精神健康度 / 家族システム |
Research Abstract |
平成12年4月に、一年次の質問紙調査を行った5市町村8中学校において、平成11年度の対象者の欠席日数と「養護教諭から見た気になる子ども」の調査を行った。対象者の平成11年度の欠席日数は平均4.87±18.52日であり、年間30日以上の欠席者は2.57%であった。 また、平成12年11月に昨年と同様の対象者である中学生2年生とその保護者を対象に第2年次の質問紙調査を実施した。回収数と率は、中学2年生865名(84.9%)、父親756名(75.1%)、母親845名(82.9%)であった。 General Health Questionnaire(GHQ)で精神健康度良好群と不良群に分けた場合、父母では平成11年度と平成11年度ではほとんど変化はなかったが、中学生では不調群が11年の38%から42%に増加していた。2年間の追跡調査ができた809名の内、精神健康度が好転したものは37.8%、不変が18.5%、悪化したものが43.6%のであり、不変のものが最も精神健康度が良好であった。欠席日数が4日以下のものと5日以上のものでGHQの得点を比較すると、5日以上の群で得点が高く、つまり精神健康度が不良の傾向があることがわかった。 さらに家族システムを「家族のかじとり」と「家族のきずな」で検討し、それぞれを非常に強いものから弱いものまで4段階に分け、GHQとの関係を検討したところ、「家族のかじとり」が非常に強く、融通性の乏しい家族で中学生の精神健康度が悪く、また、「家族のきずな」が非常に希薄な家庭で中学生の精神健康度が悪いという結果が得られた。 さらに重回帰分析を行い、中学生の精神健康度に関連する要因を検討したところ、いじめや学校生活、成績などの「日常的なストレス」や「自分の性格や容姿に関する悩み」、また、ストレスコーピングとして「我慢する傾向」が精神健康度を悪化させる要因として、「親のサポート」「教師のサポート」「自己肯定感」ストレスコーピングが「問題解決的である傾向」が良好な精神健康度に影響していることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 佐藤友子,荒木田美香子,金森雅子: "中学一年生の精神健康度に関する家族・日常生活要因についての検討"学校保健研究. Vol.42 Supple. 402-403 (2000)
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[Publications] 佐藤友子,荒木田美香子,金森雅子: "中学一年生の精神健康度に関する家族.日常生活要因についての検討"学校保健研究. Vol.42 Supple. 402-403 (2000)
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[Publications] 荒木田美香子,松本友子,佐藤友子: "中学一年生を持つ父母と子どもの精神健康度及びその関連要因についての検討"学校保健研究. Vol.42 Supple. 404-405 (2000)