2001 Fiscal Year Annual Research Report
家族機能から見た不登校の予防と早期発見に関する研究
Project/Area Number |
11670366
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
荒木田 美香子 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50303558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 友子 浜松医科大学, 医学部, 助手 (20313950)
青柳 美樹 浜松医科大学, 医学部, 助手 (60334976)
金森 雅夫 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (90127019)
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Keywords | 中学生 / 不登校 / 家族システム / 精神健康度 |
Research Abstract |
本研究は平成11年〜13年にわたる中学生及びその保護者に対する家族システム、精神健康度、中学生の欠席日数、及びそれらに影響を及ぼすと考えられる心理社会的要因の縦断調査である。現時点で、中学生・保護者に対する3年間の質問紙調査は終了し、3月末の学年末に年度の欠席日数を確認し、最終的な報告書を作成する段階となっている。3年次の質問調査の回収率は中学生849人(84.6%)、父親737人(73.5%)、母親808人(81.3%)であった。精神健康度不良群は、中学生と父親で有意に増加していた。また、父母、特に母親が認知している「家族のきずな感」は「非常に強い」に集中する傾向が見られるのに対して、3年次の中学生が認知している家族システムは「弱い」から「非常に強い」まで平均的に分布している状況に変化していた。 2年次に行った質問紙と2年学年末時点での欠席日数の検討では、登校回避感情をもっている生徒は持っていない生徒に比べて、また精神健康度が不良群に入る生徒は良好群に比べて、欠席が5日以上になる割合は有意に高いことが認められた(_x2検定、p<0.05)。 しかし、2年生で登校回避感情を持っている生徒のうち、2年生の欠席が年間5日以上になるものは25.1%で、残りの74.9%は4日未満の欠席状況である。精神健康度不良群のうち5日以上の欠席をしたものは、21.8%であった。2年生の時点で登校回避感情のある生徒、および精神健康度不良の生徒を抽出し、2年生での欠席が5日以上と未満についてWaltの変数増加方により、2項多重ロジスティック回帰分析を行った。結果は家族の成員数は6人以上に比べて5人以下の場合に、また家族システムにおける「家族のきずな感」が強すぎる家族は欠席の危険因子となっていた。「親のサポート」と「教師のサポート」は高いほうが欠席には予防的に働いていたことが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)